今なお続くコロナ禍で私は腹壁ヘルニアという病気で入院し手術を受けてきました。コロナ禍という特殊な環境の中での入院は今までとはどのようなことが違っているのかを体験してきましたのでご紹介します。
私が入院した病院でおこなわれたコロナ対応がすべての病院でおこなわれているかはわかりかねますのでご承知おき頂ければと思います。
目次
1.コロナ禍での入院・手術を受ける患者が守ること
私が入院した病院では、コロナ感染防止に向けて入院をする前に病院側から「患者さんへのお知らせ」をもらいました。
ここには、入院・手術を受ける患者が守ることが書かれていていました。
1.マスクは各自用意
コロナ禍において日常生活で欠かせないのがマスク。入院期間中も同じくマスクをして病院生活をおくらなければなりません。(ベッドを離れる時以外)
マスクは各自で用意することになっていて(使い捨て、布製どちらも可)事前に用意するか、もしくは売店で購入。
2.入院前コロナウィルスの検査
入院・手術の日時が決まったら病院からコロナウィルの検査を受けるよう指示があり、コロナウィルスの検査を受けるのは手術を予定している患者さんだけが実施することになっています。
入院前に、事前に渡されたケースに指示のある分量の唾液を入れてその日のうちに病院へ提出。
のちに検査結果が陰性であれば予定通り入院。陽性の場合は入院は延期との判断が下されるしくみです。
3.面会
入院中の面会は全面禁止。
ただし主治医の許可や【特段の事情】がある場合のみOK。
【特段の事情】
●入院時と退院時の付き添い。ただし1名のみ。
●手術患者の付き添い。ただし1名のみ。
家族から患者への荷物の受け渡しは看護師または看護補助者を通して行う事になっていて
平日の15時~17時までと日時が指定されていました。
4.携帯電話
携帯電話の通話は原則禁止。
ただし、SNSの利用ができない人で病室からの移動が困難な人のみ一時的に許可。
利用時間:15:00~17:00
通話時間:3分以内
SNSは病室での使用は許可されていたので、家族との会話はもっぱらLINEを使用。
5.飲料水
衛生上の観点から飲料水の準備は患者及び家族が準備。
開封後のペットボトルの期限を守ること。空のペットボトルの使い回しはしないで廃棄。
【ペットボトルを使用する期限】
500ml・1L(口をつけている)・・・・24時間
1~2L(口をつけていない)・・・・・2~3日
2.患者として用意したもの
コロナ感染対策として病院側から提示された患者が守ることをふまえて、私が用意した物です。
1.マスク
入院前の説明でマスクは個人で用意するようにとの指示があったので多めに用意しました。私は術後何日で売店へ買いに行けるようになるのかわからなかったこと。
マスクを夫に持ってきてもらうには、看護師さん経由での受け渡しになり手をわずらわせるのが申し訳なかったので多めに持参しました。
2.着替え
医師から入院期間は約5日~6日と伝えられていたので、着替え(下着)は6日分を用意しました。
パジャマとタオルは1泊500円のレンタルを利用。(何回利用しても1日500円)
病棟には洗濯機と乾燥機がありましたが、術後自分で洗濯できるのかがわからなかったこと。マスクと同じく夫に持参してもらうのを避けたかったのも利用した理由です。
3.飲料水は事前に用意
飲料水は病棟の面会室に自販機がありましたので、当面術後1日分までの飲料水として、500mlの水とお茶をそれぞれ3本づつ合計6本用意しておきました。
実際に術後は身動きがとれなかったのと、水分をたくさん摂る必要があったので購入しておいて良かったです。
4.スマホと充電器
コロナ禍での入院生活で欠かせないのがスマホと充電器です。家族とはグループLINEで連絡を取り合ったり、身体を自由に動かせない時に音楽を聴いたり、娘がアップしてくれた孫たちの動画で癒されたり。
携帯の重要性をこれほどまでに身に染みたことはありませんでした。これもコロナ禍で家族と面会できない寂しさや手術を受ける身としては不安がいっぱい。そんな時家族からの励ましのLINEは勇気づけられました。
5.小銭
自販機での飲料水購入やテレビ視聴のカード購入には必須です。特に飲料水は各自で用意するため、千円札または100円玉は手元に用意していたので、歩けるようになってからは自販機で購入。
3.入院から退院までの流れ
1.病名は腹壁ヘルニア
腹壁ヘルニアはヘルニアという病気の一種。よく耳にする鼠経ヘルニア(脱腸)は腸が
腹壁ヘルニアは、鼠径ヘルニア同様内蔵が飛び出した状態ですが、場所がヘソのあたりになります。
私は、かねてからお腹のあたりに違和感があって受診し検査を受けたところ、結医師よりなるべく早めに手術をすることをすすめられ今回ふみきりました。
手術はお腹に4か所の穴を開け腹腔鏡でヘルニアの部分を修復する方法で。
腹腔鏡の方が開腹手術よりも手術時間が短く、患者本人の回復が早いので一般的に使われる手術方法だそうです。腹壁ヘルニアの場合の平均入院期間は5日~6日間といわれ、私は6日間入院しました。
2.入院・手術から退院まで
1.入院初日
病院から指定された日時に病院へ行き手続きが完了後に病室へ。
10時には着替えをすませ、昼食から病院食を食べ、夕食は明日の手術に向け重湯と水分だけでした。
2.手術当日
手術日は付き添いとして親族1名のみ病棟へ行くことが許されたので夫が来院し面会室で待機。
朝食抜きで8時45分には手術室へ。生まれて初めての手術台は暖かくて柔らかく、前日は不安で眠れぬ一夜を過ごしていただけにこのままずっと寝ていたいと思ったほど。
麻酔用のマスクを口にはめてからは意識は全く無く、目が覚めた時には3時間が経過していました。
術後は、全身があらゆる管とつながり身動きができない状態。
手術の詳細については主治医から私と夫のそれぞれへ説明がありました。夫はコロナ禍であることから私との面会をせずにそのまま帰宅。次回夫に会うのは退院日になりました。
医師や看護師が私の容態を監視するために術後は、丸1日を個室で過ごし次の日には元の病室へ。
3.術後1日目
個室から病室へ移動。痛み止めと栄養剤の点滴。まだ痛みがあって体の1部分が触れただけでも全身に激痛が走る状態でした。
午後からは、看護師さん付き添いのもと歩行訓練を開始。術後はなるべく早く歩行しないと内蔵の癒着や治りが遅くなるなどのデメリットが大きいためだそう。
この日は空腹感がなく、また食事がのどを通らず大好きなカレイの煮つけが食べられず残念。
4.術後2日目
やっと食欲が出てきた頃。大好きな煮豆が食欲をそそり完食できたことが励みになりました。
5.術後3日目
少し痛みはあるものの、病棟内を歩いたり身の回りのことができるように。
6.退院
午前10時に退院が決まり朝食をとったあと事務手続きや荷物の整理をして帰宅。
6日ぶりの我が家。ホッとできる自宅があるありがたさと退院報告に喜んでくれる家族に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
4.入院・手術代の費用
腹壁ヘルニアによる6日間の入院と手術の医療費は次のとおりです。
私は夫の健康保険組合(任意継続)の扶養家族なので3割負担となり、窓口での支払は合計で159,690円でした。
内訳は
●「自己負担額①」154,170円
入院・手術代など医療にかかった費用です。
●「食事療養負担額②」は5,520円
6日間で出された食事代です。
これに、入院前に提出した唾液を入れる容器代が120円でしたので
窓口での支払い総額は
159,690円 + 120 = 159,810円
でした。
夫の健康保険組合の高額療養費の上限が25,000円なので、実際にお財布から出ていくお金は
25,000円(高額療養費)+5,520円 (食事代)+120円(容器代)=30,640円
30,640円です。
退職後の健康保険を任意継続か国保のどちらかを選ぶ時、我が家の場合任意継続の方がメリットが大きいと選択。
まさか私が手術を受けるなんて思ってもいませんでしたから、はからずも今回任意継続のメリットをさらに享受できたかたちになりました。
5.医師・看護師・家族が心の支えに
家族に面会できない時だからこそ、お医者さんや看護師さんは私にとってとても大きな存在でした。
担当医は若く(30代後半?)綺麗な女医さん。明るくテキパキと話をされる一方で「瑠璃子さん、痛みが強いようなら退院を1日伸ばしましょうか?」と私の気持ちを察してくれる優しい先生でした。
また、看護師さんは私のわがままにイヤな顔ひとつせず笑顔で「遠慮せずにナースボタンを押して呼んでくださいね」と涙がでるようなお言葉も。
今回、実際に自分が入院・手術を受けてみて、お医者さんや看護師さんにどれだけ助けられているのかを実感し感謝の気持ちでいっぱいになりました。
6.まとめ
当初コロナ禍で入院・手術は、今までに手術を経験したことがないだけに入院中の自分はどのようなコロナ対策が必要なのだろうかと不安がありました。
しかし、病院から渡された「コロナ対策のお願い」を読んでからは、書かれている内容をしっかり守ること。そして不自由なところをどう解決していけばいいのかがわかったので不安を和らげることが出来ました。
コロナが1日も早い終息を願いますが、万が一入院・手術になっても病院側が提示する感染対策を患者が守ることで余計な不安を持つことが避けられることがわかったのも大きかったです。