担当医が女性医師とわかったら不安になる?ジェンダーバイアスとは?

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1.担当医が女性医師とわかったら不安になりますか?

紹介状をもっていった病院の担当医が女医だった。夜中に急に体調が悪くなって救急搬送された病院でその日の担当が女医だった。

このように自分の担当が女性医師とわかったらどんな印象をもちますか?

「担当医を男性の医師に代えてもらいたい」「婦人科なら女性医師がいいけれど、他は男性医師の方が信頼できそう」と考える人が多いのではないでしょうか。

先日私は病気が発覚し、かかりつけの医師から紹介状をもらって中核病院の消化器外科へ。

そこで受診した医師は女性医師(30代後半?)でした。

女性医師は、検査結果をもとに病状の説明のあと「瑠璃子さんが不安に思っていること、気になることはありませんか?」と聞き、私の問いに丁寧に答えてくださいました。

(ただ、1人の診察時間が長いので、予約しても待ち時間が長くなる)

持病のある私は、夫の転勤のたびにかかりつけ医が代わり、男女ともにいろいろなタイプの医師に診てもらった経験があります。

この女性医師には、患者さんの声をしっかり聴いてくれる信頼できる医師であるとの印象を持ちました。

ただ、周りからは「女性医師で大丈夫なの?」「男性医師に変更してもらえないの?」と不安がる声があがったのも事実。

これは、男性医師のほうが女性医師よりも優秀であるという考えがあったから出た言葉といえます。

では、なぜ男性医師のほうが女性医師よりも優秀と考えるのでしょうか。

2.ジェンダーバイアスとは

「男の子なんだから泣くんじゃない」とか「女性は家事をやって当たり前」といった声を聞いたり、考えを持っていませんか?

男の子だって泣きたいときはあるし、家事は女性がやって当たり前ではありません。

このようにジェンダーバイアスとは、男性、女性の性別によってもつ偏見(バイアスという)のことをいいます。

偏見というと「私は人に偏見なんて持っていないわ」という人も多いはず。私も偏見なんて持っていないと思っていました。

実は、私たちは生まれてから家庭や社会生活を送っているうちに、知らず知らずのうちに偏見(バイアス)が刷り込まれているといわれています。

男性医師のほうが女性医師よりも優秀というジェンダーバイアスを持っているので、先ほどの「女性医師で大丈夫なの?」との声が上がってくるのです。

3.女性医師の方が患者の死亡率が低い

実際に男性医師の方が優秀なのでしょうか?

2011~2014年にアメリカの病院に緊急入院した65歳以上の高齢者(約130万件の入院)を対象にしておこなわれた研究では

担当医が男性医師であった患者が、入院から30日以内に死亡する確率が11.5%であったの対して、担当医が女性医師であった患者の死亡率は11.1%であり、統計的に有意に低かった。

                       大竹文雄・平井啓著「医療現場の行動経済学」より引用

担当医が女性医師だった患者の死亡率は、男性医師よりも0.4%低かったことがわかったのです。

たった0.4%という小さい数字ではあるけれど、対象人数が130万人ですから単純に計算して、5,400人もの差が出たということ。

では、なぜ担当医が女性医師の場合死亡率が低いのでしょうか?

過去の研究から女性医師の方が男性医師よりも、ガイドラインに沿った治療を行い、より患者中心の医療を提供していると報告されている。

                       大竹文雄・平井啓著「医療現場の行動経済学」より引用

ガイドラインとは、医師が患者を診断する時の手引書のようなもので、このガイドラインにそって医師は患者の病気治療に役立てています。

男性・女性にかかわらず医学生の時に受ける授業や指導は同じだったはずなのに、女性医師の方がガイドラインに沿った患者に寄り添った治療をしているとはどういうことなのでしょう。

そこで筆者が分析したところ

女性医師の方がリスク回避型であり、医療における不確実性を低めにたもちたいという思いがあることが原因ではないか

                      大竹文雄・平井啓著「医療現場の行動経済学」より引用

必ずしも女性医師全員というのではなく、女性医師の方がより慎重に診療し、患者の声にじっくりと耳を傾ける割合が高いのではと筆者はいっています。

私の女性担当医は、術後の痛みが取れない不安な様子をみて「瑠璃子さんの顔色から、明日の退院予定を明後日に変更しましょう」と提案してくれました。

このように患者が口に出さなくても、細やかで慎重な判断をした女性医師と筆者のいうことが結びつく経験をしました。

もちろん、たとえ男性医師であっても信頼できる先生ならお任せします。

ただ、ジェンダーバイアスによる女性医師だからという側面だけをみるのではなく、女性医師の方が患者中心の医療を提供している割合が高いということを頭に入れておくことが大切だと思います。

4.まとめ

私は自分なりに健康に気を付けているつもりでしたが、思わぬ病気が発覚し手術を受けました。これから年を重ねていくうちに、医療のお世話になる機会が増えることでしょう。

女性医師だからといった偏見(バイアス)をもつのではなく、医師として信頼できるかどうかを判断基準にしていくとが重要だと思います。

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