1.遺族年金っていくらもらってるのか気になるけど
夫が亡くなったら遺族年金がもらえることは聞いたことがあるけど、
いくらもらえるのか知らない人は多いのではないでしょうか。
私の身近な人にも遺族年金をもらっていると聞いてはいても
当然のことながら、実際もらっている金額は聞けません。
そこで、夫が会社員で妻が専業主婦だった場合、夫が死亡したら妻が遺族厚生年金をどれくらいもらっているのか?
政府の統計で調べてみたのでご紹介します。
2.遺族年厚生年金の平均受給額
まずは、遺族年金の年齢と受給額の割合の全体像を見てみましょう。
調査:2015年 公開:2016年8月29日
遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、65歳前は遺族基礎年金、遺族基礎年と遺族厚生年金が多く受給され
65歳をこえると遺族厚生年金がほとんどを占めます。
これは、妻が65歳をこえると自身が老齢基礎年金(国民年金)がもらえるため、遺族基礎年金が消滅してその代わりに遺族厚生年金が
もらえるようになるためです。
では、遺族厚生年金の平均受給額はいくらなのでしょうか?
2015年の調査によると、夫が厚生年金に加入中もしくは受給している間に亡くなった場合、妻に支給される遺族年金の平均受給額は92万7千円。
月額にすると77,250円となります。65歳以降の妻はこれに自身の老齢基礎年金(国民年金)が加わります。
平成30年度の老齢基礎年金(国民年金)の満額が 779,300円(年額)ですから
遺族厚生年金の平均額と、老齢基礎年金を満額もらった場合の受給額はこうなります。
【年額】
遺族厚生年金の平均受給額 + 老齢基礎年金(満額) = 合計
927,000円 + 779,300円 = 1,706,300円
【月額】
遺族厚生年金の平均受給額 + 老齢基礎年金(満額) = 合計
77,250円 + 64,942 = 142,192円
遺族厚生年金の平均額と老齢基礎年金(満額)をもらったとすると
月額142,192円となります。
この額が少ないと思うのか、これなら生活できると思うのかは
子どもと同居しているなどの生活環境や、潤沢な老後資金によっても違ってきます。
遺族厚生年金の額は、夫がもらっている厚生年金のおおむね3/4といわれていますが
夫の在職中の給与額が皆それぞれ違うので、詳しい額は年金事務所で聞いてみるとよいでしょう。
3.遺族厚生年金を受給している人の平均年齢
つぎに、遺族厚生年金をもらっている人の平均年齢を調べてみました。
遺族年金を受給している人の平均年齢は78.7歳です。
一方で遺族年金を受給している人の年齢の割合は、80歳~89歳がもっとも多く38.5%でした。
2015年当時の男性の平均寿命は80.79歳です。仮に平均寿命で亡くなったとしたら
一般的に妻の方が年齢が低いことを考えると、妻は70代後半~80歳代で遺族厚生年金の受給が始まると
考えられます。
女性の平均寿命が87.14歳ですから、夫亡き後、約7年間を遺族厚生年金をもらうことになります。
あくまで平均寿命を元に計算しているので、妻が長寿であれば遺族厚生年金を受給する期間が
当然長くなるということです。
4.遺族厚生年金の受給額と年齢(50歳以上)と受給額
気になるのが、50代以上の人がどれくらいの額をもらっているかです。
以下が、政府の統計から50代以上の遺族厚生年金受給者の年齢別と受給額を加工したものです。
【表1】
年齢:50歳~90歳以上
受給金額:50万円(以下)~200万円以上(年額)
人:千人
年齢/金額 | ~50 | 50~100 | 100~150 | 150~200 | 200~ |
50~54 | 4 | 8 | 37 | 3 | – |
55~59 | 12 | 15 | 71 | 18 | – |
60~64 | 37 | 28 | 127 | 40 | 2 |
65~69 | 188 | 184 | 100 | 7 | – |
70~74 | 208 | 217 | 193 | 42 | – |
75~79 | 232 | 236 | 260 | 132 | 5 |
80~84 | 293 | 241 | 285 | 188 | 27 |
85~89 | 227 | 152 | 267 | 187 | 35 |
90~ | 156 | 113 | 201 | 131 | 13 |
【表1】のデータをもとに棒グラフにしてみました。
【図1】
縦軸が受給金額(年)、横軸が年齢
遺族厚生年金を受給する年齢は、65歳以降から増え続け80歳~84歳がピークに。
受給額はおおむね50万円以下から150万円ぐらいまでの範囲で受給しています。
65歳以上で受給額が50万円以下の人が130万人あまりもいて
少ない遺族厚生年金で暮らしている高齢者が多くいることがわかります。
一方で、受給額が200万円以上が8万人しかいません。
夫が在職中に役職についていたなど恵まれた人達なのでしょう。
5.まとめ
遺族厚生年金の平均受給額について調べた結果
平均受給額は92万7千円で、平均受給年齢は78.7歳でした。
50代という世代の女性の年金の受給額は、ほとんどの人が夫より少ない金額ではないでしょうか。
今、夫が元気なのに亡くなった後のお金について計算するなんて不謹慎だと思われるでしょう。
でも、明日のことはわからないし、妻の方が長寿であることから
夫亡きあとの生活設計する上でも遺族年金の額を知っておくと対策を立てやすはずです。
今回調べた遺族厚生年金は、政府のデータを元に単純に計算した結果です。
くわしい内容は年金ダイヤルか年金事務所で相談してみてください。
1.【年金ダイヤルで相談】
年金ダイヤルで遺族年金の年金額を相談する場合本人(夫)確認が必要です。
1.夫が電話口に出られること。
2.夫の基礎年金番号を手元に置いておくことが必要です。
2.【年金事務所の窓口で相談】
年金ダイヤルの電話に夫が出られない場合は、妻が年金事務所の窓口で相談することができます。
持参する書類は3つ。
1.委任状(日本年金機構の委任状をダウンロードして使う)
2.夫の基礎年金番号がわかるもの(年金手帳、ねんきん定期便など)
3.妻の顔写真つき身分証明書(運転免許証など)
年金事務所へ相談する場合や予約を取ってから出向くと時間を待たずに
相談できます。
※この記事は瑠璃子が個人的に調べたものなので責任は負いかねます。