1.老後の資産を夫婦で見える化するメリットとは?
老後の資金が心配だけれども、何から手をつければいいのかわからない50代も多いのではないでしょうか。
おススメは資産の見える化を夫婦ですることです。
資産の見える化とは、今ある資産を洗いざらい書き出して表にすること。表にすると課題が見つかり、それを改善する方法を見出すことができるからです。
次に資産の見える化をなぜ夫婦でするのかというと、同じ方向を向いてお金のことを考えられるからです。
例えば、夫婦どちらか一方が資産の現状を理解して必死に改善しようとしても、一方がそっぽを向いて資産を好き放題に使ったらどうでしょう。
必死に改善している方は徐々に不満がたまり、のちに爆発するのは目に見えています。
もし、夫婦どちらかが気乗りしない時は、ひとりで資産の見える化して、現実を突きつけてみると態度が変わるかもしれませんから頑張って作ってみましょう。
2.老後の資産を見える化する方法
資産を見える化する方法は、資産となる材料を用意して、A4の紙もしくはExcelに数字を書き込んで表にするだけです。
1.準備するもの
表にする前に材料を手元に置いておきます。不動産は事前に不動産屋かネットで査定して金額をわかるようにします。
【準備するもの】
1.通帳
2.保険の保障内容のわかるもの
3.不動産の査定
4.住宅ローン・カードローンの残債額
5.退職金がわかるもの(就業規則)
2.資産を表にする
材料を元に表を作成します。
サンプルを作ったのでこれを元に検討してみましょう。
【サンプル】
夫:山田太郎 会社員
妻:山田花子 専業主婦
退職金:2600万円
子どもは独立して夫婦2人で生活している。
※荻原博子著「老前破産」から引用
「流動資産」「固定資産」「負債」に分けてそれぞれ合計を出します。
退職金は固定資産として計算しました。
総資産は1700万円。
③1000万円(流動資産合計) + ④4700万円(固定資産合計) ー ⑤4000万円(負債合計) = 1700万円
では詳細をチェックしていきます。
①貯蓄合計・・・・・・500万円
老後の収入が年金が主になることを考えると自由がきく現金の存在は心強いものです。
貯蓄額アップを考える必要がありそうです。妻が働きに出る、在宅ワークを始める、売れそうなものをメルカリに出品して現金化するなど。
②保険合計・・・・・・500万円
夫の定期付き終身保険と妻の終身保険の両方は必要でしょうか。保障内容をチェックして損がなければどちらか1つにして現金化することを検討してみます。
ここには記載していませんが、よくあるのが友人や知人に勧められて入った生命保険や医療保険。
本当に必要かどうか?考えてみます。
子どもが独立していれば、夫に万が一のことがあっても妻ひとりの生活は遺族年金とパートの仕事で賄えるかもしれません。ムダに保険料を払うよりもその分貯蓄に回したほうが老後に役立ちます。
④固定資産合計・・・4700万円
自宅と投資用マンションの評価額はどうでしょうか。
自宅用はいいとして、投資用マンションの評価額が600万円。
負債の項目を見ると横浜銀行から3%の金利で900万円借り入れています。金利が高いことと、そもそも投資マンションは必要かどうか検討の余地がありそうです。
⑤負債合計・・・・4000万円
負債額の4000万円をどう減らしていくかがポイントになります。
対策として
住宅ローンの金利が3%と高いので借り換えをする。
生命保険を解約して繰り上げ返済する。
親から相続した不動産があれば今のうちに売却し現金化して返済にあてる。
などが考えられます。
教育ローンは、子どもが独立しているのなら協力してもらうこともできるでしょう。
借金は老後破産への最大の要因ともいわれています。
早くにローンを返済し自由に使えるお金を増やすにはどうするか?そのために今からできることが見えてきます。
以上サンプルの【資産・負債表】で資産を検討してみました。
まずは、材料を揃えて、数字を書き、足し算する。たったこれだけで資産の見える化ができて検討すべき課題が見えてきます。是非やってみてください。
3.まとめ
毎日一緒に生活している夫婦でも、老後のことをどのように考えているのかなんてわかりません。
例えば、夫は悠々自適で趣味三昧の生活を考えているかもしれないし、妻は故郷で自然を満喫しながら余生を過ごしたいと考えているかもしれません。
また、退職金の使いみちはどうでしょう。夫は新車やゴルフのクラブを購入したいと思っているかもしれない、妻は豪華客船での世界一周を夢見ているかもしれません。
でも、資産の見える化をすると老後の夢は打ち破られれるかもしれませんが、現実を直視することができます。
厚生労働省発表2019年度版の平均寿命は男性81.25歳、女性は87.32歳で過去最高を記録しました。
長い老後を安心して暮らすためにも早めの資産の見える化をおススメします。