二女から「厚生年金の保険料が高すぎる!年金は個人が積み立てるのでよいのでは?」この話を聞いた私は二女が基本的な「年金制度(厚生年金)のしくみ」を理解していない。私が知っていることを教えることにしました。
※私は専門家ではなく個人的な知識の上で記事を書いていることをご承知おきください。
1.年金は国が運営している保険
人生にはリスクはつきもの。人生の中で最もリスクがあるのが
1.高齢で働けなくなるり生活できなくなること
2.一家の働き手が亡くなって家族が路頭に迷うこと
3.本人が病気やケガで働けなくなること
3つといわれています。
将来、国民がこの3つのリスクに備えるために国が運営しているのが年金で正式な名称は「厚生年金保険」という。
1.老齢年金
老齢年金は本人が高齢で働けなくなった時の生活費。
現時点では、65歳の約3か月前に「請求書」が年金機構から送られてくるので、自分からわざわざ年金事務所に出向く必要はありません。
それと、自分の年金履歴、住所などを確認したい時は「ねんきんネット」で確認するとよいでしょう。
2.遺族年金
配偶者が亡くなった時の家族の生活費。
遺族年金には18歳未満の子ども対象の加算があるので、万が一配偶者が亡くなった時はできるだけ早く遺族年金の手続きをしたほうがよいでしょう。
3.障害年金
本人がに障害(ケガ・病気)で働けなくなった時の生活費
障害年金の支給対象になる病歴には、ガンや精神疾患も含まれているので自分が対象になるのかを調べることが大切。
老齢年金は、年金は保険料を払っていれば(要件による)もらえる年金だけれど、遺族年金と障害年金は万が一に備えるための「保険」の役割が大きい。
特に老齢年金と遺族年金は、年齢に到達した、死亡したといった事実があれば速やかに支給が開始されます。
しかし、障害年金においては、障害が始まった年月や診断書の入手など、支給までたどり着くのに難しい場合がおおく、障害年金専門の社会保険労務士に(有料)頼む方法も。
2.賦課方式
1.賦課方式とは
日本の年金制度では賦課方式を採用。
賦課方式とは、働いている人の保険料で年金を必要としている人を支える方法。
一部の外国では積み立て方式を採用したものの、賦課方式に制度を変更したところもあるようです。
2.なぜ賦課方式を採用しているのか
では、なぜ日本の年金は積み立て方式ではなく、賦課方式を採用しているかというと
理由は、インフレに対応するため。
たとえば、急な物価の上昇(インフレ)が起こった場合に、それまで積み立てていたお金が役に立たなくなる可能性がありますよね。
1個100円のリンゴ→1個300円のリンゴ
今の1万円で買えるバッグ→3万円に。
100万円で買えた軽自動車→300万円に。
このように急激な物価上昇(インフレ)になった時、賦課方式は年金保険料を納めている人のお金が年金として支給されるので、対応しやすいのがメリット。
とはいえ、国も万が一に備えてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が銀行などに頼んで年金保険料の一部を資産運用しています。
その額は年金運用機関としては世界最大級。2019年6月末で159兆円2,133億円にものぼっています。
3.年金だけでは生活できない理由
「年金だけでは暮らしていけない」とよく耳にする言葉ですよね。
それはなぜか?
年金制度では、年金をもらう額は「本人の現役世代の平均手取り収入の5割になるよう制度設計」をしているから。
現役時代の5割の年金で生活できる人もいれば、できない人など人それぞれ。
年金だけで生活できないとわかれば貯蓄に励んだり、働き続けることが重要になってくると思います。
では、将来自分はどれくらい年金がもらえそうなのか?おおよその金額がわかれば、年金だけで生活できるできるかどうかの見通しがつくというもの。
そこでチェックしたいのが毎年届く「ねんきん定期便」です。
若い世代はおおよその額だけですが、それでも人生設計の役に立つでしょう。
4.老後の対策
30年後は今よりも、もらえる年金の額が減ってくることが予想されます。
老後のために、若いうちからコツコツ貯蓄に励むこと、お金の勉強をしていくことが大切。
ムダ遣いは極力さけ、ムリせず計画的にお金を貯めるために、自分にあった方法を試すことができるのも老後までの時間がある若いうちだからこそだと思うのです。
5.まとめ
私たち夫婦も現役で働いていた時は、年金の保険料の高さの不満を漏らしていました。しかし、現実に年金をもらって生活をしてみると、そのありがたみを痛感しています。
年金だけで食べていくのは厳しく、少ない貯蓄から引き出して赤字の補てんしていますが、それでも毎月決まった額のお金が振り込まれる年金は、心の安定をもたらしてくれているのも事実。
年金制度は、これまでに何度も改正を繰り返した結果、とても複雑でわかりにくくなっています。
厚生労働省では若い人に理解をしてもらうためにマンガを使ったサイトを用意して目を通してみるもよいでしょう。
いっしょに検証!公的年金 | 厚生労働省 (mhlw.go.jp)
高校生との対話形式で金融、年金制度をわかりやすく解説
高橋洋一著 日本の「老後」の正体