私は、親から金銭教育を受けてきませんでした。
社会人になった時「ちゃんと貯金しなさいよ」
「無駄遣いばっかりしないの!」程度の会話で
具体的に、どのように貯金して、運用をどうしたらいいのか?
毎月の給与をどのように使い分けするか?なんてことは
家庭内での会話は、なかったのです。
これは、父が預貯金の管理をしいて、毎月の生活費を母に渡していたことから
母自身が貯金をしていなかったからなのかもしれません。
私自身も、お金というものに無頓着なところがあって
友人たちが「貯金なんてしていないよ」という言葉を信じて
全く勉強しなかったことも,後になって悔やまれたことでした。
だから、子どもには、同じ思いをさせたくなかったのです。
目次
1.子どもに我が家の経済状態を話しておく
子どもはお金の貯め方、使い方は、学校では教えてくれません。
家庭でしか学ぶ場所がないんです。
「給与がはいったら、貯金しなさい」とは親や先輩からよく聞きます。
だけど、どうやて貯蓄するのか? お金の使い方は?と
具体的に教えてくるところがあるでしょうか?
そこは、親が家庭でしっかり教えなければならないと思うんです。
貯蓄体質を持たなかった私の失敗から、娘たちには、我が家の経済状態
最低限のお金の管理などを教えることにしました。
1.中学3年生の時に我が家の経済状態を話した
我が家の経済状態を話したのは、長女が高校受験を控えた中学3年生になった時です。
私たち夫婦は、大学までは、本人の希望を尊重して、行きたい学校に入れさせよう。
そこまでは、親の務めとして学費を出そうと決めていました。
私たちには、娘が二人。分け隔てなく教育資金を使おうと、夫とも話していたので
ふたり分の教育費を考えると、だせるのは大学までと貯蓄してきました。
そこで、長女には「高校と大学は公立はもちろん私立でも選んでいいよ。
ただし、それ以外は出せないからね。例えば留学したいとか、大学卒業後に新たに専門学校に
通う場合は、その費用は出せないからね。」と。
私たちも、これからの生活にお金が必要だからね。年を取って生活できないから、
お金ちょうだいって言われたた困るでしょ」
我が家の年収や、今ある貯蓄額をおおまかですが、見栄をはらずに話ました。
「お父さんが一生懸命働いてくれているから、私やあなたたちが暮らしていけるんだよ。
だから大学までは私立でも行かせてあげれるんだよ」と
父親の働きで一家が食べていけることの大切さも、合わせて話して聞かせました。
娘たちはどう思ったかはわかりません。
ただ、中学生ともなると、友達の家と我が家の経済状態の違いに
興味がでてくる年頃でもあるんです。
日常の会話の中に
「○○さんは、夏休みはハワイで過ごすらしいよ。いいなぁ」
「○○さんは兄弟がいるから、高校は公立しかダメだって、落ちたら定時制に行くらしい」
公立の中学校だから、いろいろな家庭環境の生徒がいることで
自分の家は、経済的にどうなのかを判断し始めているのかもしれません。
2.就職が決まった時に貯蓄方法と自分への投資をすすめた
1.貯蓄方法を教える
長女の就職が決まった時に
就職祝いに印鑑をプレゼントし、通帳を作らせたんです。
これから、給与とボーナスをこの通帳に入ってくるようにすること。
「毎月の給与から貯蓄としていくら天引きするか
ボーナスからいくら天引きするか決めなさい」と
すると長女は「給与は全部使って、ボーナスは全額貯金する」と言ったんです。
夫は
「お金は、すぐには貯まらない。コツコツと長~く貯めて、やっとまとまった金額になるんだよ。
だから、毎月の給料からも少しでも天引きした方がいい。
それと、ボーナスを全部貯金するのは反対だな」
長女「そうなの?貯金するからいいんじゃない?」
夫「ボーナスが入ったら、きっとなにか買いたくなるんじゃないかな?
同僚やお友達がボーナスに○○買ったとか旅行に行ったとか聞いたらどう思う?
自分も欲しくならないかい?
ボーナスが出たら○円天引きして、残りのお金を自分のためや交際費に
使うようにすると、ストレスなく貯金できると思うよ」
その後、毎月の給与とボーナスの天引きの額を決めて、銀行に向かって行きました。
さらに、
- 1年目は天引きして貯めて、そのお金は使わないこと。
- 娯楽にローンは組まないこと。
- 使う時は、本当に必要ななのか?考えること。
などを約束しました。
街中を見渡せば、若い女性向けの商品は、溢れるほどあり
購買意欲をそそる文言で誘惑してきます。
学生の時とはちがい、毎月の給料が入ると、アレもコレも買えるようになります。
欲しいものを欲しいだけ買っていくと
お金はアッという間に、それも何に使ったかわからないうちにお財布のなかが空っぽ。
しまいには、通帳の残高も0円になりかねない。
しかし、貯めるのはカンタンじゃないです。
宝くじでも当たらない限り、コツコツ貯めていくしかない。
貯蓄の王道を教えたかったのです。
2.自分への投資は、生きたお金の使い方だと教える
そして、貯まったお金で自分に投資をすることも勧めました。
いわゆる、生きたお金の使い方です。
私がパートを始めようとハローワークに行った時、
職員から
「パソコンはできますか?ワードやエクセルの初歩でもいいので、できますか?
これができないと事務職は難しいですよ」と。
当時、我が家にパソコンはありましたが、ワードって何?服のブランドじゃないよね?
程度の知識しかありませんでした。今思うとホント笑っちゃいますよね。
それで、パソコンスクールで学ぶことにしたんです。
タッチタイピングからワードとエクセルの基本操作を学びました。
それこそ四十の手習いです。
干からびた脳みそにカツを入れながら、授業についていくのに必死でした。
その甲斐あって、事務職の仕事に就き
パソコンスクールの代金は、すぐに回収することができたことは
これも、生きたお金の使い道であるとを話しました。
将来の仕事に関わる、または興味のある資格を取るには
本を買ったり、スクールに通ったりとお金がかかります。
そのために使うことは、自分への投資につながります。
その投資が、長い一生の中で
いつ役に立つかはわからないのです。
決してムダになるとは私は思いません。
家庭で、お金の話をしたことによって、二女もお金を貯めることの大切さを学んで
お金にかかわる資格を取っています。
長女も二女もこれからの人生が、しあわせな人生であってほしいのは親の願いです。
ですが、この不透明な世の中で、いつ貧困になるかわかりません。
そのことをいつも頭に入れて、コツコツ貯めることを続け
あわせて、自分への投資をすることも学んで欲しかったのです。
3.子どもへの金銭教育は、老後の資金を減らさない
二女の就職が決まった時
「ヤレヤレこれで子どもにお金がかからなくなって安泰だわ!
これからは、自分たちのために貯めて使えばいいのね」と
何か重い荷物をやっと下ろせた、解放感みたいなものがありました。
しかし、そんな思いも束の間で、長女の結婚が決まりました。
この時、長女から
「お父さんお母さんは挙式と披露宴に出席してくれるだけでいいからね」
「自分たちの貯蓄の範囲でやるから心配しないで」と。
最近は、結婚式の形式が多様化して
ジミ婚とかナシ婚とか結婚式や披露宴をしない人もいると聞きます。
それは、ふたりが同意してのことなら何の問題もありません。
しかし、結婚は二人だけじゃなく、それぞれの親が関わってくる場合もあるでしょう。
お相手の親の立場上、披露宴をすすめてくることもあるかもしれません。
披露宴をするとしても、子どもにお金がなかったら、親が援助することになりませんか?
子どもに惨めな思いをさせたくない。親なら、お金を出してやりたいと思うでしょう。
でも、自分たちの老後資金を吐き出してしまったら
自分たちの老後の生活費はどうなるでしょうか。
さらに、結婚すると、出産、マイホームとライフイベントが続きます。
その度に、親が援助出来るだけの資産があればいいんです。
でも、我が家はできません。気持ちばかりのお祝い金を包むくらいです。
それでも、「ありがとう」と言ってくれているのでよしとしています。
我が家の経済状態を知っているので
気を使ってくれているのかもしれませんが(笑)
まとめ
1.我が家の経済状態を教える
中学生になると我が家の経済状態をなんとなくわかってくる年齢です。
正直に額までは言わなくても、大金持ち(笑)ではないこと
どこまでお金を出せるかをキチンと話して聞かせておくことが大事だと思います。
2.子どもに、お金の貯め方、使い方、自分への投資を教える
娘たちには、就職が決まった時に、お金の貯め方などを教えました。
小学生くらいから、年齢に合わせた貯め方、使い方を教えてもいいかもしれません。
3.子どもの金銭的自立は親の老後を助けることになる
子どもが金銭的に自立できていることは
親自身も余裕を持って、老後を暮らせることにつながります。
「いつまでもあると思うな親と金」
意味: 独立心を養い、倹約を心がけよという戒め。
注釈: いつまでも親が面倒をみてくれるわけではなく、親はいつか死ぬものであり
あると思っていても金は使えばなくなってしまうという意味から。
人は誰かに頼る心を捨て、節約して生きていけということ。