目次
1.「50歳を過ぎたら粗食はやめなさい!」を読んだわけ
50代に入って老後が視野に入ってくると、自分の健康に責任をもたなくてはという
思いが強くなってきました。
バランスのとれた食事が良いのは、昔から言われていることですが
一方でダイエットや粗食で健康をという情報もあり、いったいどれがいいのか
悩んでいました。
健康に気を配り、長生きするにはまずは食生活を見直すことが1番と
調べていくうちに、この「50歳を過ぎたら粗食はやめなさい!」本に出会ったのです。
読みすすめていくうちに、健康で長生きしている高齢者は
肉や牛乳をよく食べているという。
老人とくに一人暮らしの食生活は、食べたり、食べなかったりで栄養が偏りがちと
言われています。
著者の新開省二さんは、「東京都健康長寿医療センター」で
副所長をされている医師です。
「東京都健康長寿医療センター」は、1972年以来高齢社会の
問題解決のために専門家が、さまざまなデータを元に高齢者の病気や
生活習慣の研究機関です。
高齢化が進むなか、長年の蓄積されたデータと追跡調査で得た研究結果は
信頼のおけるものとして読む価値があるのではないか?
そう思い手に取ってみることにしました。
2.なぜ粗食はいけないのか?データによってわかってきたこと
粗食というと、一汁一菜、野菜と魚中心でお肉や牛乳などの乳製品を
取らないといったイメージでしょうか。
1.痩せている人よりも太めの人のほうが長生き
「東京都健康長寿医療センター」の追跡調査でわかったこと
図は「東京都健康長寿医療センター研究所
食生活に要注意-高齢者の低栄養はキケン-」から引用
追跡年数(年)在宅高齢者1048人を8年間追跡したデータを見ると
少し太い人の生存率が高いことがわかります。
BMIは、体重÷身長÷身長で数値が高くなるほど肥満とされています。
この図から、も少し太い人とされている男性22~24
女性では23~25の生存率が高くなっています。
50代女性の平均身長は、約157cm。
少し太い女性BMI23~25では体重が57kg~63kgとなります。
157cmの適正体重が54.23kgですが
63kgだBMIが25.56適正体重が54.23なので8.77kg適正体重より多く
判定は肥満(1度)となります。
反対に細い人のBMIは20以下
これは身長157cmだと約49kg以下となりますが、判定は普通体重です。
2.総コレステロール値は高めでもいい
追跡年数(年)在宅高齢者1048人を8年間追跡したデータを見ると
総コレステロール値が高い人が生存率がが高いことがわかります。
健康診断や人間ドックの検査で注意すべき項目の一つが総コレステロール値。
コレステロールが高いと動脈硬化による糖尿病、脂肪肝が心配されます。
しかし、著者は
コレステロールは生命を維持するためになくてはならない
物質なのです。
動脈硬化の危険性を示す数値であるというよりも、栄養が十分に
行きわたっているかどうかを示す指標であるといてもよいでしょう。
総コレステロール値が高いと聞くと、もうそれだけで病気の予備軍だと
思ってしまいますよね。
食事を見直さないと将来健康でいられなくなると恐怖さえ覚えてしまうもの。
しかし、データからはそうとは言えないようです。
特に高齢者の女性場合、女性ホルモンが少なくなってくると
総コレステロール値が20~30程上昇します。
3.アルブミン値で栄養が足りているのかわかる
アルブミンとは血液の血しょう成分に含まれているタンパク質。
このアルブミンの濃度は栄養状態を示していて、タンパク質や脂質を取る食事をしていると
アルブミン濃度が高くなります。
低い人が高い人たちより明らかに生存率が低くなっています。
ということは、アルブミンの濃度が濃いと栄養が十分に足りていいるけれど
反対にアルブミンの濃度が低いと栄養失調であるかもしれないのです。
⇒50代のあなたは栄養失調じゃないよね?血液検査でアルブミン値を調べよ!
ヘモグロビンは、赤血球に含まれるタンパク質で、全身へ酸素を送る役割を果たしています。
ヘモグロビンもタンパク質や脂質、鉄分の摂取と深く関係しています。
これらのデータ~栄養状態が良い高齢者は、その後の生存率が高いと言えるでしょう。
元気で長生きしている人ほど、たっぷり栄養をとっているということです。
逆に、低栄養のままの食生活だと血清アルブミンとヘモグロビンが低くなり
栄養失調となって体力の衰えを早めてしまう恐れもあるのです。
健康で長生きしている人ほど、お肉、牛乳、卵などの上質なたんぱく質を
毎日食事のメニューに取り入れていることで健康を維持しているのです。
3.50歳を過ぎたら粗食をやめないといけないのか
著書では50歳を過ぎたら粗食をやめなさいと言っています。
なぜ50歳を過ぎたら粗食をやめないといけないのでしょうか。
それは、低栄養になる恐れがあってさらにすすむと栄養失調になる
恐れがあるからです。
著者、中年期の健康常識と高齢期の健康常識はまったく違うという。
成長期では、タンパク質の合成系が強く働き
高齢期は分解系がやや強めになるという違いがあります。
若い成長期は、食べたモノがどんどん栄養になって身についていくけれど
70歳を超える高齢者の場合は栄養を取らないと十分にエネルギーが
生み出せないというのです。
粗食やダイエットで食べ物を減らすと、脂肪は減らないで筋肉がやせ細って骨粗しょう症の
キケンが高まって、骨折から寝たきりになる可能性もあるということです。
50代の中年期と呼ばれる世代は、肥満や運動不足を避けてメタボにならないよう
気を配っているのではないでしょうか。
肥満からくる生活習慣病にならないためにも大事なことです。
私もメタボ気味なので、夕飯のメニューには野菜を多く取り入れたり
普段の買い物などはできるだけ歩くように心がけてはいます(笑)
しかし、著書によると高齢者の場合においては
高齢者に関しての私たちの調査データでは、日本の一般の高齢者においては
肥満や過栄養よりも、むしろ痩せや低栄養の方がより問題であることを
示しています。
生活習慣や食生活というはすぐ切り替えるでしょうか。
ダイエットが思うようにすすまないで悩むのは、長年の食生活を簡単には
変えられないからじゃないでしょうか。
70歳になってからでも、食生活を変えてもお遅くはないと著者は言っています。
でも、毎日食べる食事が粗食で、肉を食べる習慣がない場合
すぐに肉を食べられるでしょうか。
それと、栄養の行き届いた身体を作るには時間がかかるでしょう。
それなら、50代という高齢者になる前に、粗食から栄養のある肉や魚、野菜や牛乳など
バランスのとれた食事にシフトチェンジすることが、来るべき高齢者となった時に
健康で暮らしていけると思うのです。
4.栄養失調にならないために美味しく食べて健康寿命を延ばしたい
この本では、長年の追跡調査をし、膨大なデータを検証した結果をもとに
50歳を過ぎたら粗食をやめなさいと言い。
むしろ、肥満や栄養過多よりも、痩せて低栄養の方が問題であるとと警鐘を鳴らしています。
高齢者の栄養失調が問題となっている今、50代から栄養たっぷりの食事を
美味しく食べることが健康長寿につながるのです。
ご紹介した内容の他に
「肉と魚は一対一で食べよう」「牛乳はやっぱり健康にいい」など
お肉やお魚や牛乳など栄養のあるもの高齢者になってもたっぷり食べていいんだよと
太鼓判を押してくれています。
私の母方の叔父は昔乳業メーカーに勤めていて
よくチーズやバターの詰め合わせを送ってきてくれていました。
そして会うたびに「瑠璃子ちゃん牛乳やチーズは骨を丈夫にするから必ず食べること」と
言っていました。
牛乳は成長期に必要な栄養素であることは知っていましたが
当時の私は乳業メーカーに勤めているから宣伝のため?ぐらいに聞き流していました。
今更ながら叔父の言葉は、宣伝なんかじゃなかったんだ(笑)と感謝したい気持ちです。
1日3食を美味しく栄養たっぷり食べられのは、生きる喜びにもつながり
毎日を楽しく過ごせるのではないでしょうか。
著書では、食べることだけではなく、高齢期の運動や睡眠、地域デビューについても
書かれていて、これから迎える高齢期のために一冊手元に置いて生活の指針に
するのにおすすめです。
実家の両親はすでに80歳を超えていますが、参考になる部分も多いので
次回帰省した時にプレゼントしようと思います。