目次
1.高額療養費制度の限度額適用認定証のメリットとは?
8月に夫は尿路結石で1泊2日の入院しました。
入院について病院から説明を受けた時、窓口で支払う医療費は10万円前後でしょうと
言われたのです。
今,夫は定年後継続雇用として会社員として働いていますが
給料は半分以下と激減している中、10万円ととても高額な金額です。
すぐに用意できる金額ではありません。
そこで担当者から
「加入されている健康保険組合か限度額適用認定証をもらって提出してください。
10万円より安く済むと思いますよ」とアドバイスを受けました。
帰宅後さっそく会社の担当者に「限度額適用認定証申請書」を送ってもらい記入し返送。
1週間くらいで「限度額適用認定証」が送付されてきました。
この「限度額適用認定証」を窓口に提出することで、10万円も支払わずに
済んだのです。
たとえ窓口では10万円払っても、後に高額療養費制度で差額は戻ってきます。
でも、すぐに10万円を用意できない場合は、「限度額適用認定証」を
提出すると高額療養費の額を窓口で払えるので、家計をあずかる主婦にとって
大きなメリットになるのです。
2.50代は知っておくべき!高額療養費制度と限度額申請との違い
50代はそろそろ体のあちこちにガタがくる年代。
医療費もバカになりませんよね。
医療費を病院の窓口で払う場合、知っておいたほうがいいことは2つあります。
それは、高額療養費制度と限度額申請です。
高額療養費制度とは
厚生労働省保険局 高額療養費制度を利用される皆さまへ
(平成29年7月診療分まで)から 引用
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、
ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、
その超えた金額を支給する制度です。
※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
ひと月に支払った医療費が、限度額を超えたらその分を支給しますよ
というとってもありがたい国の制度なんです。
69歳以下の場合は以下のように年収によって違ってきます。
年収が約370万円~約770万円のウの区分についてみてみます。
ウの区分の場合
医療費の総額100万円かかったら、窓口での支払いは3割負担で30万円になります。
窓口で30万円支払った後、高額療養費として後から差額として212,570円が
支給されるので、実際に持ち出した金額が87,430円ということに
なります。
家計を預かる主婦として、窓口で30万円をポ~ンと支払うにはとっても
勇気がいりますよね。
それならいっそのこと、87,430円を窓口で支払いたい!
それを可能にするのが「限度額申請」です。
限度額申請とは
加入している健康保険組合から「限度額適用認定証」をもらって窓口に提出すると
高額療養費制度の額だけ87,430円を窓口に支払えるのです。
まずは、会社の担当者か加入している健康保険組合から
「健康保険限度額適用認定申請書」という用紙をもらって記入します。
これを担当者などに提出すると、1週間ほどで「健康保険限度額適用認定書」が送られてきます。
夫の「健康保険限度額適用認定証」です。↓
これを、病院の窓口にこれを提出すると、87,430円を支払うことができます。
(食事、差額ベッド代は別)
窓口での支払い金額をおさえたい場合にとっても有効なのです。
知っておいて損はないですよ。
ただ、この「健康保険限度額適用認定書」が送付されるまで時間がかかることから
緊急の場合は難しいでしょう。
3.会社員なら付加給付でお得になるかも?
高額療養費制度があることで医療費が高額にならずにすむので
とってもありがたいことですが、会社員であればもっと安上がりにすむかもしれません。
それは「健康保険組合の付加給付」です。
健康保険組合の付加給付とは
健康保険法で定める保険給付に併せて、規約で定めるところにより
付加給付を行うことができる(第53条)。
健康保険法では、健康保険組合が独自に決めた「付加給付」を設けることができますよ。
ということ。
高額療養費制度で87,430円を支払うといっても、やっぱり大きい金額ですよね。
健康保険組合が組合員の医療費の負担をもっと軽くしてあげましょうというのが
「付加給付」なのです。
この「付加給付」の額は一律ではなく、健康保険組合によって違ってきます。
例にあげると
トヨタ自動車健康保険組合は20,000円
https://www.toyotakenpo.jp/provision/medical_benefit/high_medica_treatment/
日産自動車健康保険組合は21,000円
http://www.nissan-kenpo.or.jp/kenpo/kougakuhuka.html
NTT健康保険組合は25,000円
http://www.nttkenpo.jp/member/benefit/expensive_a.html
と組合によって金額はまちまちです。
ただ、どこの健康保険組合でも「付加給付」があるわけではありません。
おもに大企業の健康保険組合にこの「付加給付」があるようですが
「夫の会社は小さいから、付加給付なんてないわ」とあきらめてはいけません。
健康保険組合は、ひとつの企業だけで作られるわけじゃないんです。
健康保険連合会の
健康保険組合を設立する時の規模について
企業が単独で設立する場合(単一)は、事業所で働いている被保険者が
常時700人以上、2以上の事業所または2以上の事業主が共同して
設立する場合(総合)については、合計で被保険者が常時3,000人以上
であることが必要です。
つまり、2つ以上の企業が合同で健康保険組合を設立するには、3,000人以上
集まればできるのです。(その他に厳しい要件あり)
例えば「ITソフトウェア健康保険組合」は、IT関連の小さな会社が集まった
いわば寄り合い所帯みたいな健康保険組合です。
しかしその規模は、被保険者数をトヨタ自動車と比べてみると
ITソフトウェアは452,381人に対してトヨタの110,097人で
その差は4倍にもなります。
その「ITソフトウェア健康保険組合」の付加給付は20,000円で、他にも給付が
充実していることで有名です。
http://www.its-kenpo.or.jp/hoken/situation/case_07/kougaku/
組合員の年齢層が若ければ病気になる確率が低く、健康保険組合の持ち出しが
少なくなるため、豊富な資金を組合員に還元できるからでしょう。
なので、会社の規模が小さくても、加入している健康保険組合に付加給付が
あるかもしれませんので調べてみるといいでしょう。
そして、付加給付の支給方法は
差額分が自動計算で振り込まれる場合と
別途手続きがいる場合があるかもしれないので、健康保険組合に聞いてみましょう。
夫が勤務する会社は規模が小さいですが、親会社の健康保険組合に
加入しているため、付加給付の恩恵にあずかることができました。
なお、「付加給付」は高額療養費以外にもあるのでチェックしてみると
いいでしょう。
4.50代は夫が会社員のうちに健康保険のメリットを大いに活用しよう
高額療養費制度の限度額申請や付加給付を知らなくて、窓口に3割負担分を
支払ったとしても健康保険組合で計算して差額を支給してくるでしょう。
しかし、制度を知っておくと窓口で支払うお金がないからと
あわてて定期預金や生命保険を解約することを避けることができます。
また、健康保険組合に付加給付があれば
いたずらに民間の医療保険に入らずにすむメリットもあります。
40代は元気いっぱいでも、50代に入ったとたん「最近胃の調子が悪いわ」
「夜眠れない」など体調の異変が出てきたりしていませんか?
ちょっとした体の変化であっても、積極的に受診して体の悪いところを
やっつけてから老後を迎える。
医療費を軽くするために
50代の病気は、老後に持ち越さない!
そんな心構えが必要なのです。