目次
1.保険会社の「家族登録制度」とは?
保険会社は、契約内容の問い合わせについて原則として契約者本人にしか伝えることができません。
ただ、契約者本人が問い合わせができない事態にあった時に家族が「家族登録制度」に登録することによって契約者本人に代わって問い合わせができる制度のことです。
2.親が契約している保険会社の「家族登録制度」を利用するメリット3つ
1.家族が保険会社への問い合わせができる。
保険の受取人である母または父が高齢で耳が遠くなったり、入院中だと問い合わせをすることそのものが難しくなってきます。
そんな時「家族登録制度」を利用しておけば、親の代理として契約内容の確認や保険金や給付の手続きについて相談することができ、また親が老人ホームへの入居や自宅を売却して住む場所をかえた場合の住所や電話番号の変更なども親の代わりに保険会社へ連絡することができます。
登録すると通知が届くので、登録している子ども自身も親の保険について忘れることを防いでくれます。
この時、親の保険に「家族登録制度」を利用していることを自分の家族にも知らせておくと、通知を見た家族が「秘密に加入している保険があるのでは?」と不信感を持たれずにすみます。
2.保険金の請求漏れを防ぐことができる。
「家族登録制度」を利用する最大のメリットが保険金の請求漏れを防ぐことができることです。
親が亡くなってあと、生前に生命保険があると聞いてはいても、契約している保険会社や証書そのものが家のどこにあるかわからないために請求すらできないといったことを防ぐことができます。
また、近年多くなった自然災害。親が自然災害にあって避難所で暮らすようになった時、自宅の修理や建て替えなど保険を使いたくても保険会社がわからない、家が倒壊して証書が見当たらない、そもそも保険に入っていたことすら忘れている場合も多いことも。
せっかく高い保険料を払ったにもかかわらず、いざという時に使えないのは非常にもったいないです。
3.登録が無料であること。
保険会社の「家族登録制度」基本的には無料で、契約後時間が経過してもOKがほとんどです。
私の場合、父の生命保険が10年以上経過したあとに「家族登録」をセールスレディの方のすすめで登録しました。
3.親の生命保険に家族登録をするデメリット
1.登録しても親の保険金の請求や解約等はできない。
「家族登録制度」はあくまでの保険内容や手続きなどの問い合わせができるのであって、契約の請求や解約の手続きまではできません。
親の理解を得られるならば、契約の請求ができる「指定代理請求制度」を検討してみるとよいと思います。
2.契約者である親や他の兄弟から了解を得られないことも。
高額の保険を契約している親の中には保険金の額を知られたくない。複数の子どもに知られることで仲が悪くなることを恐れている。まだまだ元気だから子どもに問い合わせをしてもらいたくない。など親の理解を得られないことも考えられます。
また、「家族登録制度」では、登録する人数が1名しかなれません。たとえ問い合わせだけであっても「保険金を独り占めするのでは?」と他の兄弟から不信感を持たれる恐れもあります。
解決策として、お正月やお盆など家族が集まった時に「家族登録」について説明して親、兄弟の理解を得るとよいでしょう。
3.保険会社から新商品の案内がくる場合がある。
「家族登録制度」では住所や電話番号を登録するため、保険会社によっては新商品やサービスの案内がくることも。
4.日本生命「ご契約情報家族連絡サービス」について
私は父が契約している日本生命に「家族登録」をしているので簡単にご紹介します。
1.日本生命の「ご契約情報家族連絡サービス」について
1年に1回「ご契約情報家族連絡サービス」のご登録のお知らせが届きます。
【サービスの内容】
- 70歳以上の個人契約者を対象。
- サービスの登録・利用は無料。
- 契約している(親)の契約情報が記載された通知を1年に1回送付される。
- 登録した家族は契約情報や必要な手続きの問い合わせが可能。
2.日本生命の「ご契約情報家族連絡サービス」の対象者
日本生命の「ご契約情報家族連絡サービス」の対象者は以下の優先順位で1名を登録します。
- 指定代理請求人
- 配偶者、子、孫、兄弟、姉妹、甥、姪
- 被保険者・受取人・後継保険契約者
登録する対象者の中で、指定代理請求人とは、保険金等の受取人に代わって請求できる人。
後継保険契約者とは、権利と義務を引き継ぐ人のことです。
3.登録する時に必要な情報
登録する家族(子)の情報を提供することになっています。
- 名前
- 生年月日
- 性別
- 契約者からみた続柄
- 住所
- 電話番号
5.日本生命の「ご契約情報家族連絡サービス」を利用する時の注意点
日本生命の「ご契約情報家族連絡サービス」を利用する時の注意点は以下の通りです。
- 登録できる家族は1名のみ。
- 家族の同意は必ず得ること。
- 契約内容の情報を知ることができる。
- 契約者(親)への通知が届かない場合は日本生命から連絡がくる。
- 登録した家族以外にも契約情報を提供する場合がある。
【家族以外に提供される人】
- 契約の被保険者
- 受取人
- 指定代理請求人
- 後継保険契約者
6.まとめ
病気や自然災害は高齢になるほどダメージは大きく、保険のことまで手が回らないことも。そんな時子どもが親に変わって問い合わせができるのは親子ともに安心できるサービスといえると思います。
また、病気や災害にあうの親に限ったことではなく、今の世の中同じことがいつ自分の身に降りかかってくるのかわかりません。もしまだ夫や自分の保険に家族登録していなければ、この機会に子どもに話してみるとよいでしょう。