老後は、ペットを飼いたかったけれど、あきらめたワケは2つ。
1つ目は、ペットの最後を看取れるかわからないから。
2つ目は、ペットにどれくらいお金がかかるかわからないから。
1.ペットの最後を看取れるかわからない
私たち夫婦は子どもの頃から、自宅で犬や猫を飼っていました。
私は、一人っ子であったせいか、猫には時に友達に話しかけるように
時には、弟や妹がいたらこんなふうに相手をしているんじゃないかなぁと
まるで、人間であるかのように接してきました。
イヤのことがあったら「ホントイヤになっちゃう!私悪くないよね。タマ(猫の名前)」と。
小動物なら、可愛がっていると自然となついてくる。
それが可愛くってもっと優しく撫でてあげる。
ペットは人間を癒してくれるそんな力があるのでしょう。
幼児期ぐらいから結婚するまで、ペットのいる生活が当たり前のように暮らしていたので
ペットのいない生活に違和感があったことを覚えています。
しかし、社宅暮らしで転勤族では、ペットを飼うことは許されませんでした。
それでも、子どもが生まれて成長してくると、動物にも命があること。
その命は、人間と同じく尊いことを教えたかった。
そこで、子どもが採ってきたトンボや蝶はすぐに放してあげることを
室内では、金魚を飼って育てることの大切さを教えてきました。
最近では、賃貸住宅でもペットを飼えるところも増えてきましたね。
今住んでいるマンションもペットを飼えるようになっていて
玄関には、ペットが逃げないように柵も用意されています。
なら、老後はペットの飼える賃貸を探して、飼うこともできるでしょう。
でも、私たちは、この先ペットを飼うことはありません。
ペットを看取る責任を負えないと考えているからです。
日本ペットフード協会のデータによると
猫の寿命の平均は、15.0歳
犬の寿命の平均は、14.2歳
例えば、年金生活が始まってから、猫を飼うとしたら
65歳(年金生活開始)+15歳(猫の寿命)=80歳
私たち夫婦は、猫を看取るどころか、猫の世話すらもできないかもしれません。
また、80歳もの高齢で15年飼った猫の死を受け入れるのは
しんどいんじゃないかって思うんです。
帰省した折に、「猫とか動物を飼ったりしないの?」と母に聞いたことがあります。
その時母は「この年齢(80歳)になったら
可愛がっていた動物の死は精神的にとても耐えられないわ!
それに、私たちが死んだら、誰が面倒を見てくれるの?
殺処分されるくらなら飼わないほうがいいでしょ」と。
老後生活の先を行く母の言葉で、ハッとさせられたと同時に
それは、私たちにも当てはまることだと。
動物を飼うことで、癒されたい。
二人きりの老後生活にも、ペットを介して会話が増えるんじゃないか?
そう思っていた私たち。
でも、それは、自分たちのことだけしか考えていない。
ペットを看取れないなら、あきらめよう。
そう、夫と話し合った結果、私たち夫婦が出した結論です。
2.ペットにどれくらいお金がかかるのか?
我が家の場合、老後の収入は年金のみになります。
年金の受給額は、この先減ることはあっても、増えることはないでしょう。
年金だけで生活するのは厳しいので、預貯金を取り崩して生活していくことになります。
そんな生活なのに、ペットにお金をかけるわけにはいきません。
動物だって、食事や排泄、さらに病気やケガもあるでしょう。
その度ごとに、お金が必要になってきます。
愛するペットが苦しんでいる姿を見るのは辛いものですよね。
実家で猫を飼っていた頃は、動物病院に何度連れて行ったことでしょう。
メス猫だったので、去勢の手術もしました。
老衰で死ぬまで、世話をして最後まで看取ったのでした。
旅行や帰省など、夫婦で出かける時は、ペットホテルにあづけたり
犬の場合は、狂犬病の注射代も必要になってきます。
アニコム損害保険会社の調査によると
2012年の1年間にかけた支出は
猫は18万円。犬は、34万円。
平均寿命まで生きたとしたら、どれくらいのお金がかかるか計算してみると
猫の寿命が15年なので、亡くなるまでに、18万円×15年=270万円
犬の寿命が14年として、亡くなるまでに、34万円×14年=476万円
と結構な高額になります。
「ペットを飼うことを、お金に換算するなんて!
お金にはかえられない癒しや生活のハリがあるのよ!
今は、ペットを飼うことのメリットはたくさんあるんだから!!」
と私の中にそう思う部分はあります。
けれど、ペットが病気になったら、その医療費が高額だからといって
見捨てることはでません。
手術をすれば、高いお薬で元気になるなら
医療費を惜しまないのは当然ですよね。
きっと私たち夫婦もペットを飼ったら、できるだけのことをしてあげるでしょう。
でも、私たち夫婦の老後の生活を考えると、飼わないという選択をしました。
3.ペットがいない老後生活を考えたい
我が家は、30年ぶりの夫婦二人暮らしが始まりました。
子どものいない生活に少々違和感はあるけれど、そのうち慣れてくるでしょう。
まだ、老後の生活を真剣に考えていなかった頃は
猫を飼って暮らしたいなんて思っていました。
でもペットを飼わない選択をした今、
趣味やボランティアや仕事を見つけることで
充実した老後を過ごすことができるんじゃないだろうか?
これから、時間をかけて答えを出すことになるでしょう。