「老後親子破産」NHKスペシャル取材班を読んで学んだこと2つ!

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「老後破産」は最近よく聞くワードですが、老後に親子一緒に暮らすと破産するとはなんで?

この「老後親子破産」を手に取った時に疑問をもちました。

 

2015年8月にNHKが放送したNHKスペシャル「老人漂流社会 親子共倒れを防げ」の

番組終了後、非正規で働いていた子どもが親と同居を始め、

「親子共倒れ」の実態をつかむために取材した内容を本にしたものです。

 

この本を手に取ってみたワケは2つ。

1つ目は、なぜ、親だけじゃなく親と子どもが両方が破産してしまうのだろうか

2つ目は、国や行政は、何か手を打っているのだろうか?

この2つの疑問を解決できるのか

 

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1.なぜ老後は親子で破産してしまうのか?

車椅子道路

我が家も二女は、独身で今のところ正社員で働いてはいるものの

いつリストラにあうかもわからない。

病気で仕事をやめなければならないかもしれない。

 

私たち夫婦だって、これから年金の受給額が減らされたり、医療費がかかったりと

思ってもいないことが、人生に起こってくるものです。

明日は我が身で、ひと事ではないのです。

 

家族一緒に暮らしていれば、住居費や水道光熱費は1人で暮らすよりは出費を減らせる。

家族が一緒なら、何かあってもすぐに助け合える。

そう思っていませんか?

 

ここ最近、若い人たちに広がっているシェアハウスは1つの建物に複数の人が

同居生活をするスタイルだけれど、都会にいながら、家賃を低く抑えられるのも人気だとか。

なのに、どうして、親子が一緒に暮らすと破産になってしまうんでしょう。

 

①少ない年金額の親 + 非正規雇用の不安定な収入の子ども = 老後親子破産

高齢者1人で暮らしていくには、年金額が少なく経済的に難しいと判断されたら

生活保護を受給することができます。

 

だけど、たとえ非正規雇用の不安定な収入であっても

同居する人にある程度の収入があるとストップしてしまう。

 

それまで、かからなかった家賃や医療費の支払いが大きくのしかかり

また、非正規雇用の子どもの安定しない収入だけでは、暮らしていけなくなるという。

 

この本に出てくる安田義昭さんは、脳梗塞の後遺症で手足が思うように動かせいない。

同居している昭男さんは、日払いの仕事で収入が安定せず、家計を助ける余裕がない。

 

だから、生活が苦しく、父親の義昭さんは、医療費が払えず病院にさえも

行くことができないでいる。

 

生活保護の申請をしたくても、体が不自由な上、言葉も思うように話せないから

担当者に、ちゃんと話せないかもしれない不安を抱えている。

 

②少ない年金額の親 + 介護のため離職して無職 =老後親子破産

この本では

90代の母親と介護をしていた60代の息子が同時に遺体で発見された

この事例をあげて、介護離職について述べています。

 

子どもがそれまで正社員で働いていても親の介護が必要になって、仕事を辞めてしまう

いわゆる、介護離職

 

介護のため仕事を辞めてしまうと、親の年金やそれまで貯めた預貯金、資産で

生活していくことになります。

 

しかし、その預貯金や資産が底をついてしまうと、親の年金のみ。

その親の年金が少なければ、生活費だけじゃなく

持病があっても医者にかかることができない。

 

子どもなら、親が介護が必要になったり、困っていたらなんとかして助けてあげたいと

思うのは当たり前ではないでしょうか。

 

大切な親だから、親孝行したいのに、そのことが生活が困窮して

親子共倒れになってしまう原因になるとは。

 

国の統計では、親の介護を理由に仕事を退職(転職)する人は

年間10万人規模に。

 

団塊の世代が高齢化し、団塊ジュニアは就職困難期に就職できず

非正規雇用でいる人が多いので

これからますます介護離職が増えることが予想されるとのこと。

 

2.支援の手はどのようなものがあるのでしょうか?

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民生委員

厚生労働省 民生委員から

民生委員は、厚生労働大臣から委嘱され、それぞれの地域において

常に住民の立場に立って相談に応じ、必要な援助を行い

社会福祉の増進に努める方々であり、「児童委員」を兼ねています。

地域の人の立場にたって、援助をしてくれるのはとてもありがたいことですよね。

「困り事は、民生さんに」とは、耳にしたことがあります。

 

娘の同級生のお母さんが民生委員になっていて

地域のお年寄りのお家を訪ねている姿を見ました。

 

特に外に出ることが不自由な一人暮らしのお年寄りには

見守りにきてくれたりと心強いことでしょう。

 

しかし、問題があって、

1人暮らしだった世帯に子どもが戻ってくると民生委員の訪問も対象外になると。

民生委員自体が高齢化が進み、後継者が見つからないので、必要人数が集まらないことが

今問題になっている。

 

地域に根ざした見守りも人数が不足しているのなら、生活困窮者への目も行き届かなのでしょう。

 

生活保護制度

生活保護ガイドから

生活保護とは、国の厚生労働省の定めにおいて、生活保護の受給を希望する方が

資産や働ける能力など全てを活用してもなお生活に困窮する場合に

生活の困窮の状態に応じて必要な生活保護を行い

あなたが健康で文化的な生活を送れるよう最低限度の保障をし

また将来的に自立を助長する制度であるとしています。

年金額が少なくて暮らしていけない。

失業して仕事を探しているけど、仕事がなくて生活できないときの頼みの綱ですよ。

 

誰だって、いつ生活に困窮するかわからない。

そんな時の、究極の社会保障制度じゃないでしょうか。

 

ただ、よく「生活保護の申請をしたけれど、断られた」とはよく聞きますよね。

生活保護を受給できなかったことによって、死亡したとニュースになったりと

問題点も多いでしょう。

 

生活費に困ることは、すなわち明日の食事も取れないということ。命に関わってくる。

本人に障害があったりで手続きに出向くことができない人は代理申請ができるようです。

ココロとカラダの教科書 生活保護申請

これは生活保護費の増大に悩む自治体が

申請に訪れた人に「家族に援助してもらいなさい」「働きなさい」「家を確保してから」など

さまざまな指導と称して申請書すら渡さない「水際作戦」を強行しそれに対抗する形で始まったものです。

日本司法支援センターを通じて弁護士が書類作成や窓口に同行して交渉し

申請書には代理人として弁護士に署名してもらいます。

 

生活困窮者自立支援制度

2015年4月に「生活困窮者自立支援制度」がスタート

厚生労働省 生活困窮者自立支援制度から

生活困窮者自立支援制度とは生活に困りごとや不安を抱えている場合は

まずは地域の相談窓口にご相談ください。

働きたくても働けない、住むところがないとか

生活に困っていると一口に言っても人それぞれ事情が違いますよね。

1人ひとりに対して、どんなことに困っているのか?不安に思っていることは何なんなのか?

支援してくれる人が、親身に寄り添って、プランを考えてくれる事業です。

 

私はこの支援制度というものを、知りませんでした。

家賃の支払いに困っていたら公営住宅の斡旋をしてくれたり

就労するための講習なども用意されているようです。

 

その人の事情に一歩踏み込んだ支援をしてくれるのは助かるんじゃないでしょうか。

でも、このような支援があるのに、親子共倒れになるのはどうしてでしょうか?

 

「家族」という難しさにあるという。

外に知られたくないと隠してしまったり

自分で解決しようと問題を抱え込んでしまったりするため

外から見えにくくなっていたのだ。

私も、その立場になったら民生委員に助けを求めることができるだろうか?

 

地域に密着している民生委員に自分の困窮状態を言えないかもしれない

もし、噂になって広まったっらイヤだろうな。

 

同情されるくらいなら

自分の力で何とか解決しようという気持ちが先にたってしまうかもしれません。

 

そこで、全国から注目を集めているのが幸手市が取り組んでいる「幸せ手伝い隊」です。

これは「家事援助」をボランティアが安い費用で請け負ってくれるというサービス。

 

さらにこのサービスは、ボランティアも高齢者という点。

家事援助は

買物をしてもらったり、掃除や洗濯など身の回りの手助けをしてもらうことです。

 

利用者も、同じ高齢者だと話やすく、会話も広がり

次第に心打ち解けてくるのではないでしょうか?

 

とかく近所付き合いは面倒くさくて敬遠しがち。

でも、このサービスを利用することで、「家族の壁」をぶち破って

地域の人たちとのコミュニケーションを持つことが、期待できそうですね。

 

利用者からはこんな声も。

これまで一人で過ごしていることに、多くの不安がありましたが

いまではボランテイアの方がちょくちょく様子を見に来てくれて、安心しています。

 

地域全体で、お互いを支え合う幸手市の取り組みが、全国に広がって欲しいものです。

 

3.「老後親子破産」にならないために

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なぜ「老後親子破産」になってしまうのか?

親子で追い込まれる理由

  1. 非正規の子どもと同居すると支援が受けられない。
  2. 家族だけで解決したい。

1.この二つが「老後親子破産」になってしまうことがあることを知る

「私も将来、老後の生活に入ったら該当してしまうかもしれない」と不安になる人もいるのではないでしょうか?

これに対して、用意されている支援

  1. 民生委員に相談する
  2. 生活保護の申請をする
  3. 生活困窮者自立支援制度を利用する

もし、自分が親子共倒れになるかもしれないと思ったときは

2.まず国の支援にどのようなものがあるのかを知ること。

 

そのためには、自治体の窓口にまずは相談することではないでしょうか?

体が不自由で相談に行けなければ、民生委員に聞いてみる。

 

だれでも、自分が貧乏だとか、生活に困っていることを他人に知られるのは恥ずかしいから

なんとか家族で解決しよう「私が頑張ればなんとかなるはず!」となるかもしれません。

 

でも「持病があっても病院にもいけない。明日食べるご飯もカップ麺しかない」なら

恥ずかしがっている場合でしょうか?

 

正直、私の心の中にも、自分の生活を人に知られたくない。

ましてや生活に困っているのは恥ずかしい気持ちはあります。

 

でも、どの制度を利用するにしても、人とのコミュニケーションがなければ

支援を受けられません。

 

なら、今から万が一利用する立場になったら、恥ずかしいとかじゃなくて

「解決する方法を教えてもらいたい」というスタンスで望むことが大切でしょう。