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老後の夫婦関係を良好にする「ありがとう」を伝える4つのコツ
老後は夫婦2人だけの時間を過ごすことに不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。
私も離婚は考えていないけれど、かといって特別仲の良い夫婦でもない。そんな状態で1年前に夫が退職し、とうとう1日24時間一緒の生活が始まりました。
お互い思いやりを持ち、穏やかな夫婦関係になるにはどうしたらいいのかを考え私が始めたのは夫への感謝の言葉「ありがとう」を伝えることでした。
約1年にわたり「ありがとう」を伝え続けた結果、結婚以来初めて夫から「ありがとう。助かったよ」と言われたのです。
長年連れ添った夫婦であっても「ありがとう」を言われるのはとても嬉しいこと。それは「ありがとう」には相手への感謝とねぎらいが含まれているからでしょう。
「相手はかえられない ならば自分が変わればいい」の著者ラス・ハリスは
私たちは皆、認められたいし、与えた分だけ感謝されたいのだ。
感謝された時、自分は価値ある存在だと感じる。
といっています。
「ありがとう」をひと言伝えるだけでもよいのですが、さらに
私がこの1年「ありがとう」を伝えるためにやって良かったことは
1.「ありがとう」を口ぐせにする
2.当たり前のことでも「ありがとう」と伝える
3.「ありがとう」の前後にプラスαの言葉を付け加える
4.明るくトーンアップした声で「ありがとう」と言う
以上4つについてご紹介します
1.「ありがとう」を口ぐせにする
「ありがとう」を口ぐせにするのってどうなの?機械的で心がこもっていないんじゃない?という印象を持たれることでしょう。
長く夫婦をやっているとお互いに「言わなくてもわかっているよね」という思いはありませんか?
反対に「言わなくても理解しあえる」夫婦ってどれくらいいるのでしょう。言葉にして初めて伝わるのは夫婦も同じ。
私は、「ありがとう」を口ぐせになるまで伝えてこそ、初めて夫に伝わるのではと思っています。
いつの頃からか私は「なんで私からありがとうを言わなくちゃいけないの?私の方がありがとうを言ってもらいたいぐらい!」と望んでいましたが、このままでは一生その望みは叶えられません。
なぜなら、夫とはいえ赤の他人。よく「過去と他人は変えられない」変えられるのは「自分と未来だけ」といいますよね。
老後の夫婦の関係を変えたいのなら私が変わるしかないと思ったからです。
もちろん、感謝の気持ちがないのに「ありがとう」を言うのは夫に失礼ですし、言わない方がよいですが、「今まで気づかなかったけれど○○してくれてたんだ」と気づきがあったら、その都度伝える。
そうすると「ありがとう」が口ぐせのようになってくるのです。
2.当たり前のことでも「ありがとう」と伝える
夫婦にとって当たり前のことって何でしょう。それは夫婦それぞれだと思いますが、例えばゴミ収集日にゴミを捨てる夫の行為は当たり前でしょうか。
以前の私は「ゴミ捨てくるくらい当たり前でしょ。家事の分担をしてくれてないんだから」とゴミ捨てから帰ってきた夫に言葉がけをすることはありませんでした。
食事の時に、食卓テーブルの上にあるテレビのリモコンを片付けてくれても「食事を作っているのは私!片付けてくれて当然!」と。
しかし、今まで「当たり前」だと思っていたことにも積極的に「ありがとう」を伝えるようにしたところ、当初夫は「えぇ??こんなことで感謝されるの?」とびっくりした素振りを見せたのです。
しだいに「あぁ。特別なことしてないよ」と嬉しそうな表情で返事が返ってくるようになり、さらに趣味のウォーキングの途中で私の好物を買ってきて喜ばせてくれ。
1年後に「ありがとう。助かったよ」と初めて「ありがとう」をもらったのです。
日常の些細なことでも、積極的に「ありがとう」を伝えて続けてきたことが確実に実を結んだと実感しました。
3.「ありがとう」の前後にプラスαの言葉を添える
妻から「ありがとう」と言われた夫は「いったい何のことがありがたいの?」と思うかもしれません。
妻は夫の言葉や身振りに対して感度は良いけれど、夫は妻に対して鈍感だったりします。
私は、何について「ありがとう」なのかを明確に伝わるように「ありがとう」の前後にプラスαの言葉を添えることにしました。
例)
夫がゴミを捨ててきた
→妻「外は寒かったでしょう。ゴミを捨ててきてくれてありがとう」
夫がテーブルの上を片付けてくれた
→妻「テーブルの上が片付いて綺麗になったね。ありがとう」
夫の家事分担のひとつに食後の後片付けがあります。分担ですから夫が食事の後片付けをして当たり前ですが、その都度私は「キッチンをキレイにしてくれてありがとう」と伝えます。
すると「食後の後片付けも何回かやっているうちにコツがつかめてきたよ」などと会話が弾むようになってきたのです。
「ありがとう」のひと言が、夫婦の会話を生むきっかけ作りにも役立つこともあります。
4.明るくトーンアップした声で「ありがとう」を言う
私が「ありがとう」で実践していることのひとつに、明るくトーンアップした声で伝えることです。
24時間同じ空間にいれば、どんなに鈍感な夫だとしても妻の機嫌を察知するようになり、かけられた「ありがとう」が投げやりな言い方なのか、面倒くさそうに言っているのかが肌感覚でわかります。
明るくトーンアップした声の「ありがとう」は、場の空気を和ませ感謝の気持ちがストレートに伝わり、夫婦の距離感を縮める効果も。
5.まとめ
お世話になった人や親切にしてもらったら素直に「ありがとう」が言えるのに、私たち夫婦の間ではなぜか「ありがとう」が言えなくなっていました。
感謝されることを望んでいた私は、夫への感謝どころか「ありがとう」さえも言わずに迎えた老後の生活。
このままではいけないとの思いから始めた「ありがとう」は、今では歯を磨くのと同じように何のためらいもなく言えるようになってきました。
老後を迎えた私たちは、残りの人生をお互いにいたわり、健やかに生きていく同志のようなもの。このまま「ありがとう」を言いあえる夫婦でありたいと思っています。