旭川市も例外じゃなかった火葬場が足りない!

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1.義父の葬儀で担当者から聞いた。火葬場が足りないのは旭川市も例外じゃなかった。

先月、義父が亡くなったので、葬儀に出席のため旭川市に向かいました。

通夜.告別式は滞りなくすすみ、火葬場へと向かうバスの中で

驚きのアナウンスが!

 

葬儀の担当者から「今日の火葬場では約31件予約が入っています」

「○○様は11番目なのですが、今のところ時間が読めないので

わかり次第お知らせします」と。

 

火葬する時間が読めないって!!

どういうこと?

予約してたよね?

叔母たちがささやきあっていました。

 

2日目の葬儀の終了時間は、午後の1時と決まっていました。

私は即座に「私たち家族は、午後6時の飛行機で帰る予定で

チケットを購入しているけど間に合う?」と心配になったんです。

 

火葬場に着くと、予定時間通りに火葬することのアナウンスでほっとしていたところ

葬儀社の担当者が来て、旭川市の実情を話し始めました。

 

「旭川の人口は減りつつあるのに、火葬場がひとつしかないので

毎日ラッシュなんですよ」

 

「今日も、予約が遅かったご家族は、控え室が満室で

駐車場のバスの中で待機していただいています」

 

少し前までは、一日に30人以上の火葬をするのは、年末年始明けぐらいだったけれど

最近では、毎日これくらいの人数になります。とのこと。

 

2.旭川市の高齢者は増え続けている。

旭川市の人口はどうなっているのでしょう?

旭川市の将来人口推計のデータをみると、右肩下がりで減り続けています。

旭川市人口推移

旭川市の人口は、現在35万人だけれどこの先10万人減ると予想されています。

この24年間で男性も女性も人口総数は減っているのに、高齢者は増えています。

旭川市男性人口推移

 

旭川市女性人口推移

 

「高齢者の人口が増えるので火葬場の稼働がいっぱい、いっぱい

せめて、あと1ヶ所作ってもらわないと追いつかいんですよ」

 

「われわれ葬儀会社で働く者は、年中無休で人材不足で

休みもなかなか取れないのでキツイです」と悲鳴をあげていました。

 

北海道の中核都市にもかかわらず、高齢者が増えているのに

火葬場が一つしかなく、火葬の順番待ちをバスで待機しているなんて

これは、旭川市だけの問題でしょうか?

 

3.火葬場で火葬を待たされる理由

火葬場で待たされるのは、火葬場が少ないこと、高齢化で火葬場を利用する人が

多くなったことだと、私は考えていたんですが

それだけではないようです。

 

NHKの「クローズアップ現代+」という番組をご存知でしょうか?

2012年12月5日(水)放送

お葬式が出せない どうする“葬送の場”

近年の死亡者数増加で、葬儀まで1週間以上待たされる遺族も。

 

遺体をどこに安置するのか?その費用は?忌引きの休みが足りるか?

など遺族を悩ませている現状と対策を紹介しています。

 

武田至さん(火葬研 代表理事)

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死亡者数が増えただけじゃない理由をこうおっしゃっています。

火葬に対するニーズといたしまして葬儀から火葬、場合によっては初七日まで

一連でできる施設が求められており、特に公営の斎場を利用して葬儀を行いたい

というニーズは高くなっておりまして

そういった方が火葬待ちと式場待ちとして希望される方が多くなっております。


場合によっては葬儀、火葬ということでそういう流れの中で

どうしても昼の12時前後の火葬の競合が多くなりまして

そうなるとどうしてもその希望でしたいという方で、火葬待ちも発生してるというのが

現状になっております。

火葬待ち発生の理由

  1. 葬儀~火葬~初七日までできる施設を希望する人が多い
  2. 公営の斎場で費用を安くしたい
  3. 葬儀、火葬は昼の12時前後の希望が多い

 

1.葬儀~火葬~初七日までできる施設を希望する人が多い

  亡くなる人が高齢者の場合、親族も高齢者である場合が多く、なるべく移動のない

  1つの施設内で希望するでしょう。

 

  義父の場合は、通夜・告別式は民間の斎場でおこないましたが

  火葬場へは、バスでの移動であったため身体に不安があるので火葬場への同行を

  遠慮した親族もいました。 

 

2.公営の斎場で費用を安くしたい

  人が亡くなると、葬儀・告別式だけではなく、49日の法要~納骨~一周忌~三回忌と

  それぞれ費用がかかりますから、少しでも費用を安くしたいのは

  誰でも考えることでしょう。

 

3.葬儀~火葬は昼の12時前後の希望が多い

  通夜は夕方6時前後から、告別式は翌日10時前後で

  その後火葬場へという流れが一般的。 

 

  葬儀社のスケジュールがこの流れで組まれていることがほとんどですから

  火葬の時間が集中することになるでしょうね。

 

この現状を解決している自治体はあるのでしょうか?

 

4.火葬場の建設で広島県三次市の試みとは

火葬場の建設が急がれる昨今ですが、火葬場の土地取得や地域住民の反対があって

なかなか進まない自治体が多いのが現実です。

 

番組では、火葬場建設を成功させた自治体として広島県三次市

紹介しています。

 

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火葬場の建設は、行政が計画するのではなく、候補地を公募。

火葬場の計画作りを話し合う建設検討委員会の18人のメンバーのうち13人が市民が参加。

 

この建設検討委員会では、様々な意見が出され、四季折々の自然のなかで

施設を建設する計画がまとまったとのこと。

 

三次市 環境政策課主任 中山悦己さん

行政主導では、難しい面があるかなと。市民参加で最終的には合意形成が大切とも

おっしゃっています。

 

現在、三次市には3箇所の火葬場があって、どれも火葬炉があるので、直葬も可能とのこと。

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施設内は住民の要望で、従来の横一列の炉を区切り

心ゆくまで、個人をしのぶことができるようになったようです。

 

三次市の火葬場のひとつ 【悠久の森】 youtube

 

最後に、武田至さんは

私たちが考えるべきこととして

  1.火葬というものは、生身の遺体が火葬されて収骨をすることで

   亡くなったことを受け入れる、非常に大切な場所であること。

 

  2.個人のプライバシーを尊重できる場所であることが重要であること。

 

  3.本来の火葬の意味を考えて、どういう空間でおわかれしたいのか?を考えること。

 

  4.火葬は、どうあるべきかをしっかり考え、身近なこととして考える時代になっている。

 

5.まとめ

火葬場の建設が自分たちの住んでいる地域だったら

「葬祭施設だからいや」、「火葬場だからいや」と感情的になるでしょう。

 

しかし、広島県三次市のように、住民参加で成功している例もあります。

火葬も含めた日常生活の延長としての死のあり方を

見直す時代になっているということでしょう。

自治体も、ぜひ住民の声を取り入れた火葬場を考えて欲しいものです。