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住宅購入資金を贈与した親の平均贈与額546万円!
子どもから「実はマイホームを持ちたいと思って、住宅展示場をあちこち見て回ってるんだ」
って聞いたらあなたはどうしますか?
「う~~ん。少しはお金の援助をしてあげたいけど
世間一般にはみんなどれくらい贈与してるんだろう?」
「なにも、他人と同じ金額を援助する必要はないけど、でも気になるわぁ」
できれば、子どものために力になってあげたい!と思うことでしょう。
そこで、親が子どもへの住宅資金を、どれくらいの金額を
贈与したのでしょうか?
1.不動産会社アットホーム社の住宅資金の贈与データから見えること
実施期間:2014年10月31(金)~11月4日(火)
調査方法:インターネットリサーチ
贈与した親300名、贈与していない親300名の合計600名
◆性別 ◆年齢 ◆子どもの人数
男性・・・・・69.0% 平均・・・64.6歳 平均・・・2.2名
女性・・・・・31.0%
子供が住宅購入の時に贈与した資金の金額(対象:300名、有効回答:300名)
平均贈与額・・・・・・・・564万円
子どもが男性(息子)の場合・・・616万円
子どもが女性(娘)の場合・・・・498万円
子どもが男性(息子)の場合の方が、118万円多くなっています。
息子を持つ親は「住宅ローンの負担を少なくしてあげたい」
との思いから娘の親より多くなっているのでしょうか?
2.贈与額はいくらか?
分布図では
1位「500万円以上~600万円未満」の割合が22.9%
私は、思ったより高額の資金援助だなぁという印象を持ちました。
住宅の購入は、人生で1番大きな買い物になるので
親のできる限りの援助をしたいからでしょう。
2位「100万円以上~200万円未満」の割合が19.8%
私は、この額の範囲が1位じゃないか?と思っていました。
3位「1,000万円~1,500万円未満」の割合が13.0%
この金額までくると、「贈与税の非課税制度」を含めて
親自身の財産を、子どもに少しでも多く残したいからでしょう。
ちなみに「1~100万円未満」の割合6.0%
住宅資金の援助は、「気持ちだけ、親ができる範囲はこれだけ」など
お祝い金として包む額でしょう。
6%の数字は、思ったより少ない印象を持ちました。
3.贈与した親、しない親の貯蓄額の平均は?
夫婦の現在の貯金額(有価証券含む)、月収生活費(対象:600名、有効回答548名)
贈与した親 贈与していない親
貯蓄額平均・・・・2,339万円 貯蓄額平均・・・・1,128万円
月収平均・・・・・35万3千円 月収平均・・・・・33万4千円
生活費 平均・・・26万0千円 生活費 平均・・・・24万5千円
贈与した親の貯蓄額平均2,339万円
老後の平均貯蓄額(2,372万円)に近い数字です。
⇒老後の貯蓄の平均額は2,372万円!平均値でみる老後のお金は?
贈与しない親の貯蓄額平均1,128万円
差額は、1,211万円
「贈与した親」と「贈与していない親」
月収と生活費の平均の差額約2万円。
贈与した親の平均年齢がほぼ65歳なら、年金は満額支給されている年齢。
生活費が25万円前後は、ごく一般的な額でしょう。
⇒老後の生活費1ヶ月の支出は26万円?今から見直してみること
ちなみに
「贈与するために計画的に貯金をしていたか」の質問に
贈与した親のうち28.3%が「貯金していた」と答えています。
4.贈与した理由は?
1位は「子どもに、より良い生活を送って欲しいから」
住環境の良い生活を送って欲しい。
住宅資金を援助することで、ローンの負担を軽くして
子や孫たちの生活の向上を思っているからでしょう。
2位は「住宅購入時は、贈与税の非課税制度があるから」
せっかく子どもに金銭的援助をするなら、
税金のかからない方法をと誰しも思うところでしょう。
3位は「子どもに楽をさせたいから」
贈与することで、住宅ローンの月々の返済額を
楽にしてあげたいという気持ちでしょうか。
5.贈与しない理由は?
1位は、「『自分は自分、子どもは子ども』お互いに自立したいから」
親子ともに自立するのは、すぐにできることではありません。
「親と子どもそれぞれ自立した生活を送れるよう」子どもが小さい時から教育し
また親自身もそのように暮らしてきたのでしょう。
2位は、「自分の資金に余裕がなかったから」
「贈与していない親」の貯金額の平均が1,128万円。
子どもに住宅資金の贈与をするよりも
親自身の老後資金として、やっていけるのかを考えた結果だと思います。
3位は、「子どもがお金を必要としていなかったから」
親の老後を考えて、または子ども自身が自立していいて
自分たちのできる範囲での住宅を購入したということでしょう。
まとめ
1.貯蓄額の1/3を贈与している?
親の平均年齢が約65歳現在で、平均貯蓄額が2,339万円。
子ども1人あたり564万円の援助。
2人だと1,128万円もの住宅資金を贈与していることになります。
では、住宅資金を援助する前の貯蓄額はいくらだったかというと
2,339万円(現在の平均貯蓄額)+1,128万円(2人分の贈与額)=3,467万円
最近、「老後の資金はいくら必要か?」とメディアでは話題になっていますよね。
よく聞かれるのが「3,000万円ぐらいは必要」という。
援助した親が持ち家に住んでいたとしたら
これから、水回りや外壁の塗装、マンションの大規模修繕費用など
まとまったお金が必要になるでしょう。
3,500万円の貯蓄から、子ども2人分の住宅資金1,128万円を贈与することは
単純に、約1/3の老後資金を使うことになります。
2.年金生活からの住宅資金の贈与
老後の資金3,467万円の1/3を子どもたちに贈与するのは、どうでしょうか?
私は、思い切った使い方だなぁという印象を持ちました。
成人した子どもへの資金援助で金額が多いのが結婚資金と住宅資金。
特に、住宅購入は人生で1番大きな買い物。
そして住宅ローンは25年~30年も返済期間が長いです。
その負担を少しでも減らしてあげたい!親なら当たり前!と思うでしょう。
しかし、私たちがもらう年金は、物価が上がっても、もらう年金額は上がらないんです。
ということは、実質生活は苦しくなってくる。
なのに、社会保険料の増額、介護費用、葬式代とお金のかかることばかりが待っています。
もし、老後資金が底をついたら
「住宅資金を援助したから老後のお金がなくなったからお金をちょうだい!」と言えますか?
もしかしたら
子どもから「それなら、住宅資金の贈与はいらなかったのに!」なんて言われかねません。
3.住宅資金の贈与は老後資金を考えて決める
「老後の資金はあるから、子どものために使えるわ!」と胸をはって言える人は
どれくらいいるのでしょうか?
50代の3人に1人は、貯蓄ゼロと言われています。
教育資金に住宅ローンとお金が出ていくばかり。老後のことはとても考えられない!
という状況で、老後資金の頼みは退職金かもしれません。
もしその退職金の1/3を、子どもの住宅資金の贈与するつもりなら
よく考える必要があると思うんです。
私たち親は、大切に子どもを育てきて、良い教育が受けられるようにと
たくさんのお金を子どもに使ってきました。
子どものために十分なことをしてきたと思いませんか?
⇒老後は子どもにいくらぐらいお金を出すの?我が家の相場でOK!
だから、老後は自分たちの生活を優先に考えて
余裕資金があれば贈与するくらいでいいのではないでしょうか?