1.お葬式で僧侶が読経しているその時数珠の糸が切れた!
その日は、義父が亡くなった知らせを受けて、慌ただしく支度をして葬儀会場へ。
午後6時から通夜が始まり、私たち家族は親族のため最前列に着席しました。
僧侶が読経を始めて数分、僧侶が「それでは、みなさまご一緒に・・・」と
参列したみんなで数珠に手をいれて拝んでいた
まさしくその時、プッチ~~ンと夫の数珠の糸が切れ、数珠の珠がバラバラバラと四方に
飛び散ってしまったんです。
あわてて珠を拾う夫と私。
僧侶の読経もひと呼吸止まって、葬儀会場は、一瞬シーン。
僧侶や参列者に申し訳ないやら、恥ずかしいやら、どうしていいか頭の中はパニック!!
すると、葬儀社の人が駆け寄ってきて、手馴れたように珠を拾い集めてくださいました。
そして小声で「数珠はなくてもいいのです。しっかりお父様に手をあわせてくださいね」
「数珠玉は、後でお渡ししますから」と。
それを聞いた夫は、目頭をハンカチで拭きながらうなずいていました。
夫の数珠は、義父が京都へ旅行にいった際に、息子のためにと購入してくれたもの。
父親を亡くした悲しみと、大事な葬儀の最中に数珠の糸を切ってしまったことへの
申し訳なさがあったのでしょう。
私がちゃんと数珠の手入れをしていれば、こんなことにならなかったのに。
親族をはじめたくさんの方が参列している厳粛な儀式で、こんなヘマをするなんて
私は、申し訳なさと恥ずかしい気持ちでいっぱいになりました。
通夜が終わって一段落したころ
叔母たちが「○彦ちゃん(夫の名前)の数珠が切れたのは、良かったことなのよ!」
私と夫は顔を見合わせて「えぇ。不吉な予感がしたけど」
叔母は「そんなことないよ。数珠が切れるというのは、何か悪いことが起きるのを数珠が
変わってくれたと思っていいの!」
「○彦ちゃんの災難を数珠が守ってくれたのよ」と慰めてくれました。
結婚式と違って、お葬式の知らせはいつ届くかわかりません。
なので、喪服の準備はしてきたつもりでいました。
でも、数珠の糸が切れるなんて思ってもいなかった。
きちんと数珠に目を配って、お手入れしていれば、こんなことにはならなかったのに。
この時、深く反省をしました。
2..数珠のお手入れ方法
私は、今まで数珠を使ったら桐箱に入れたまま放置。
手入れをなんにもしていいなかったことが、数珠が切れた原因だったのでしょう。
これからは、しっかり手入れをして、長く使えるようにしたいです。
では、数珠はどのようにお手入れをすればいいのでしょう?
【数珠のお手入れ方法】
1.数珠玉や房の部分を柔らかい布でていねいに拭き取る
2.木や石の数珠玉は、水や石鹸に弱いので、水洗いは避ける
3.桐箱や念珠袋に入れて、防虫剤と一緒に保管する
4.数珠の房にクセがついたら、やかんの水を沸騰させ
その蒸気に房をかざして数珠を振る。クセがなおったら手で整えて、吊るしておく。
ただし、湯せんができるのは、絹100%だけなので、注意が必要です。
【数珠が切れたり、古くなったら】
自分で修理ができない場合、古くなったので新しく買い換えたい場合は
専門店にお願いしましょう。
また、処分したい場合は、専門店のほか檀家になっているお寺にお願いすることもできます。
夫の数珠も、お寺の住職に処分をお願いしたところ、こころよく引き受けて下さり
「しっかりご供養して処分させていただきます」と言ってくださいました。
3.冠婚葬祭のマナーの基本は、普段の手入れから始まる。
50代に入ると、冠婚葬祭のお付き合いが増してきます。
20代なら許されることも、50代にもなってマナーを知らなければ
「恥ずかしい人」と思われてしまいます。
⇒50代はマナーが試される時と心得よ!花嫁の母が失敗した3つのこととは?
今回夫の数珠が切れてしまったのは、私が日頃から数珠のお手入れを
怠っていたから。
とても恥ずかしい思いを私だけじゃなく、夫にも親戚にもさせてしまいました。
手入れさえしていれば、数珠の糸が古くなってきていたことを
チェックできたはずです。
日頃から、冠婚葬祭に必要なものはスーツや靴、小物にいたるまで
きちんと手入れをしておくことが、マナーに結びつくことを
この歳でやっとわかったのです。
この恥ずかしい経験は、二度としたくないので
今改めて、冠婚葬祭に使うものをチェックしてみようと思っています。