1.退職後夫がウォーキングを始めるまで
夫は定年退職後は契約社員として5年弱勤め、晴れて2021年2月に完全リタイヤして1日中家にいることになりました。
夫婦が1日24時間、それも長期間同じ家にいるということは結婚してから初めての経験です。
退職した日に私は「退職おめでとう!しばらくはゆっくりしてね」なんて言葉をかけたけれど、夫婦が24時間一緒に同じ空間にいるってどういう感じになるのか?ねぎらいの気持ちの一方で不安もありました。
40年以上働いてきたのだから、2~3か月もしたらヒマを持て余して何か行動を起こすだろうと思っていましたが、3か月たった5月のゴールデンウイークに入っても、分担している家事が終わったら、これといった趣味もなく、たまに元の職場の人や友人と出かけることはあっても、テレビの前から動く気配すらありません。
2021年はコロナ禍でどこへも出かけられないし、仕事を探そうにも65歳以上の求人がほぼほぼありません。というか本人は働く気力はないようですが・・・。
そんな状態であっても、私はひと言も口を出さず見守ることにしました。
そして、5か月たったある日「健康のためにウォーキングしてみようと思っている」とやっと重い腰を上げたのです。
時はすでに7月。これから炎天下の中を65歳が歩くという無謀なことをするのは心配でしたが、本人が気持ちを優先。
自ら熱中症対策の準備をして、1日約1時間半、ほぼ毎日ウォーキングに励んでいます。
2.夫婦が平穏に暮らせている3つの要因
夫婦が1日中家で暮らして6か月。大きな喧嘩もなく平穏に暮らしている要因は何かと振り返ってみると3つのことを実感しています。
1.家事の分担
夫が退職する前から、家事分担を視野にあれこれ対策をしてきた結果、退職後は家事を分担するようになりました。6か月過ぎた今も継続しています。
夫の家事分担は
1.布団を畳む敷く
2.ご飯を炊く
3.食後の後片付け
4.冷蔵庫の掃除
5.リビングの掃除
6.乾いた洗濯物をたたむ
7.ゴミの分別と処理
8.日用品の在庫管理
たったこれだけでも家事を分担してくれることは、妻にとっては効果は絶大。それは妻だけが汗して家事をしているのに、夫がゴロゴロしている姿を見てイライラする気持ちから解放されること。
そして、妻の私は夫からの思いやりと受け止め、老後を2人で生きていく同士のように思えるようになったことです。
また、夫がひとり残されても(妻が先に亡くなった場合)家事ができれば、子どもたちや近所の人の手をわずらせずに暮らしていけるのは自立した生活ができるということ。これは夫にとっても幸せなことではないでしょうか。
2.お互いの時間を尊重
コロナ禍とはいえ、私は友人たちとお茶をしたり、ショッピングを楽しんだりと夫を家においてひとり外出することもあります。
退職前に、お互いの外出にあれこれ口を出さない取り決めをしておいたので「○○日は○○のために家をあけるから」のひと言でOK。
そんな時の夫の食事は、レトルト、冷食、残り物ですませるのが暗黙の了解となっています。
夫の外出も日時さえ教えてもらうことと、夕食がいるかどうかだけを聴くだけ。
お互いの行先は事前に伝えても、お付き合いや外出にあれこれ口を出さないルールなので、後ろ髪を引かれることも、外出をためらうこともなく出かけられるのも平穏に暮らせるひとつかもしれません。
3.顔を合わせない空間づくり
夫が退職した翌日には、それぞれ個室で過ごせるように模様替えをして、1日中顔を合わせることのないよう、自分だけの空間を作ったことが余計な摩擦を生まないでいると思っています。
子どもがまだ小学生のころ、夏休みで長い期間一緒に生活しているとイライラしたことありませんか?
当時の私は子どもと一緒に暮らせる時期は短いし、子どもにイライラするのは母親失格なんじゃないだろうかと悩んだことがありました。
でも、今はたとえ夫婦でも、親子であっても一緒にいることが正解ではない。それぞれひとりの時間を持つことが大切だということに気づき、ひとりになれる空間を作ったのが夫婦が平穏に暮らせることにつながったと思っています。
4.まとめ
これまでの結婚生活の中で、老後は今まで経験したことのない生活が始まると言っても過言ではありません。
それは、夫は仕事に、妻は家事と子育てと仕事と忙しい生活から一転して顔を突き合わせて暮らすことになるからです。
昔、父が退職して家でゴロゴロしていた時、母は「今まで家のこと私に任せてばかりだったのに、退職したとたんに口出ししてくるってどういうこと!」と愚痴を言っていました。
四六時中顔を合わせていれば、お互いのアラが目に付くし、言いたくないこともつい口に出て喧嘩の火種になりかねません。
退職前に夫婦腹を割って話し合うことが、老後の平穏な生活への1歩となるでしょう。