1.あなたは子どもに何を残したいですか?
不動産や株券とかじゃなくて、自分の趣味や大切にしているモノについてです。
結婚して子どもを育てていくうちに、家族の趣味嗜好品が家のそこらじゅうにありませんか?
例えば、家族で旅行に行った先で買った名品や陶芸品。
夢だったマイホームを手に入れた時に購入した絵画や置物。
どれもこれも、思い出の品々。
忙しいばかりの現役時代が終わって老後を迎えたら
この品々を眺めあながら、ゆっくり過ごそうと思っていませんか?
我が家は老後は賃貸暮らしと決めているので、少しづつモノを捨てています。
そこで、子どもたちに「お母さんやお父さんが亡くなった時に
とっておいて欲しいものはある?」と聞いたことがあります。
その時の答えは「欲しいいものはなんにもないよ。自分たちでどうにかして」と。
我が家に譲るほどのお金も不動産がないことを知っているからでしょう。
それでも、私が結婚するときに夫から婚約指輪やダイヤのネックレスを
もらっているんです。
これは、私の唯一の宝石であり、大切であり、好きなモノ。
子どもたちに、持ち続けてもらえたら、こんな嬉しいことはないなと思って
聞いてみたんです。「鑑定書付きだから、あげようか?」と。
そうしたら「宝石に興味ないから、お母さんがいらないなら売ったら?」と
言われてしまいました。でも、聞いてよかった!
私は「宝石だから、絶対喜ぶだろう!」と勝手に思っていたんです。
私は年に数回帰省した時に、足腰の弱ってきた両親に代わって
実家の断捨離を手伝っています。
実家の母が、私に残したいものは「リトグラフ(版画)」
大きさはたぶん80×120cmが2枚。
実家を新築した40年ほど前に母の趣味で購入したらしい。
リトグラフにまったく興味のない私は「壁に絵が飾ってあるなぁ」
ぐらいの認識で作者の名前すら知りません。
母は「私が死んだらこのリトグラフ、ネットなんたらで売っちゃんでしょ。
瑠璃子ならやりそうだわ」と。
私「そう思うんだったら、今のうちに売るなり、人にあげるなりしたら?」
母「それはできないわ!新築の記念に買ったんだから!結構な値段したんだからね!」と。
母の気持ちもわからなくもないけれど、私にはどうすることもできない。
だから、母に判断してほいいんだけど・・・・
リトグラフの件は、いまだに結論が出ていません。
2.残したいモノがあるなら、子どもの希望を優先で!
親とは別居の子どもは、すでに自分の嗜好にあった暮らし方をしているでしょう。
なのに、親の趣味や嗜好で集めたものを受け継ぐことができるでしょうか?
もし、あなたがこれだけは子どもに残したいモノ、絵画や骨董、着物があったら
子ども自身が受け取る気持ちがあるのか?ないのか?聞いてみるといいでしょう。
子どもが「骨董ならもらうわ」とか
「お母さんんお気に入りの着物をリフォームして小物に作りかえるからちょうだい!」
と言ってくれたら、それをあげればいい。
もし、我が家の子どもたちのように「欲しいものはないから!」と言われたら
それをいつ売るか、譲るか、処分するのか
それとも亡くなった時に、いっしょに黄泉の国へ持っていきたいのかを
決めておくといいかもしれません。
もし、決められないなら、子どもの希望にそってもらいたいのです。
私のように、母がいくらリトグラフを私に譲りたくても
我が家ではそれを飾ることすらできないんですから。
3.老後の生活は好きなものに囲まれて暮らしたいけれど
だれしも、老後はこういう生活をしたい!という理想を持っていると思うんです。
私も以前は、シンプルな家具に、鉢植えや切り花に囲まれた部屋で
猫でも飼って、のんびり過ごし、たまに旅行にいったりできたらいいなぁと
理想を描いていました。
しかし、お金もマイホームない我が家では無理なこと。
それに、我が家の子どもたちも「欲しいものはない!」と断言しているので(笑)
躊躇することなく、どんどんモノを捨てることができます。
さしあたり、夫からの婚約指輪とネックレスは、私があの世に行くときに
いっしょに持っていきたいと子どもたちに言っておこう。
自分が本当に好きで手元に置いておきたいモノは何か?
それはのちに、子どもに譲りたいのか?
子どもは受け取ってくれるのか?
子どもたちと話し合っておくことも、親の仕事かなって思っています。