実家の断捨離が思うようにいかないことってありませんか?
瑠璃子は、私が「いらないモノをすてよう!」と言えば
すぐに取り掛かれるとなんの疑いもなく思っていました。
まさか、母が私と断捨離で険悪の仲になるなんて。
1.実家の断捨離をしなければならないワケ
高齢者の家庭内での事故で最も多いのが「居室」です。
母の場合、1日で最も長く生活している場所は居間とキッチン。
実家の母は、膝に人工骨を埋め込んでいるため、膝の曲げ・伸ばしが自由にできません。
さらに、太ももの筋肉が落ちているので、足を引きずるように歩いていいます。
ちょっとの段差や、床に置いてあるものにつまづきやすくなって危険なんです。
もし転んで骨折して入院したらどうしよう。
「骨折→入院→寝たきり」の流れになることは、耳にします。
そばで両親のことを見てあげれない申し訳なさから
すこしでも、危険から守ってあげたい。
母が膝に人工骨を埋め込んでから、はや5年。
いつ、介護が必要な生活になるともかぎらない。
家庭内で事故にあわないよう
両親が過ごしやすい空間を作ってあげたかったのです。
2.断捨離が母と娘のバトルに
瑠璃子自身の断捨離は、引越しをした時に思いっきり捨ててきたので
その効果は実感していました。
特に効果があったのが、婚礼家具、次にはキッチンまわりの小物や家電製品。
取り掛かりやすいのが、毎日使うキッチンまわり。
主婦は食事の支度のためにキッチンに立っている時間は長いです。
例えば、冷蔵庫から野菜やお肉を取り出して、調理台で刻み、ガスコンロで炒め物をする。
立ったままでこの作業をするのは、膝の悪い母にとってはカンタンな作業ではないんです。
さらに、実家のキッチンの床には日本酒の一升瓶や買いだめした10kgのお米の袋
非常時のためにと数々の缶詰やレトルト食品があるので
私でさえ、つまづいてしまいます。
床にモノを置くと、つまずいて転んでしまう。
キッチンのいらないモノを捨てた方がいいと、母に話してみたんです。
母と娘、実の親子であっても、性格も違えば、暮らし方も違います。
母は自分が年老いてきたことを、頭の中ではわかっていても指摘されたくなかった。
それを知らずに私は「年を取ってきて転んだら寝たきりになるでしょ。
転ばないようにいらないモノを捨てないと!」と言ってしまったんです。
母は私のこの言葉に、カチンときたのでしょう。
「年を取ったって何回もいわないでちょうだい。あなたを育ててきたのは誰なの?
転んだら寝たきりになることぐらいわかってるわ!!」
「もういい!!キッチンは自分でなんとかするから、口出ししないで!」と。
初回は、物別れ(笑)に終わってしまいました。
3.寄り添いながら断捨離を進めること
この件があってから、私も考え直すことにしました。
80歳を過ぎた、膝も悪い母に言った言葉は
もしかしたら、母を追い詰めたのかもしれない。
強い言葉で言ったつもりはなかったけれど、私が母の心を閉ざしてしまった。
大事なことは、ケガをしない居住空間を作ってあげることです。
それなら、母と私が気持ちよく断捨離するにはどうしたらいいんだろう。
まずは、母とのコミュニケーションがうまくいっていなかったのが原因なのか?
今までは、帰省している間は、買い物や家事、役所への手続きを代わりにしたり
時間があると世間話に花を咲かせて楽しく過ごしていました。
でも今は、母との関係を修復しなければ断捨離はできない。
4.母との信頼関係をつくる
実家に置いたままになっている、卒業アルバムや楽器
子どもたちが小さい時に使っていた木馬を処分したんです。
これらは、母にとって、どうしても必要なものでもないし、私が購入したもの。
母とはトラブルにはならずに捨てることができました。
自分の持ち物を処分しながら考えたこと。
それは、母が困っていることを手伝ってあげる。そこからはじめてみよう。
母が「手の届かないところの掃除が気になっているけど、なかなかねぇ」と
言っていたことを思い出したんです。
そこで「今自分の部屋の掃除をしてるんだけれど、ついでに冷蔵庫の掃除しよっか?」
すると母は「そうお?気にはなってたんだけど、なかなかねぇ。
手が届かないところもあるし。じゃお願いできる?」と。
冷蔵庫は、中に入っている食材や調味料を全部取り出して、チルド室の引き出しや
ドアについているパッキンの溝まで、きれいにしてあげたんです。
すると、母は「気になっていんだけど、なんせ膝が思うように動かないから
できなかったのよ。助かったわ。ありがとう」と。
さらに、電子レンジ、ガステーブルから換気扇、トイレまで。
かなり汚れているところもあって、手の届かないところの掃除は
もうあきらめているようでした。
半日かけて掃除をしたらピッカピカに!
母はとても喜んでくれ「あなたもやればできるのね!」(笑)
私だって主婦です。掃除ぐらいはするのに(笑)
このことで、母の私への心のバリアがなくなり
断捨離への気持ちも前向きになってきたんです。
母とは遠慮なく、ズバっと言いあえる仲だと信じきっていたけれど
例え親子であっても、信頼関係を築くには子どものほうから歩み寄ることが大切だと
思いましたね。
このあと母から「捨てなきゃならないものあるけど、手伝ってくれる?」との
言葉をもらいました。(笑)
5.まとめ
親の家の断捨離は、私のツルの一声(笑)ですぐにできるだろうと
たかをくくっていました。
年を取ると自分でできないことが多くなって、自信がもてなくなるんですね。
わかってはいるつもりだったけれど母の心の変化に気づかず、今まで通りに接した瑠璃子。
断捨離を始めるにはまず親の気持ちに寄り添うことが大切だということをはじめて知りました。