1.高齢者や障害者の入居を拒否しない賃貸住宅の登録制度とは?
11月25日
高齢者、外国人、低所得者、子育て世代など一定の収入がない人が賃貸物件への入居を
断られるケースは後を絶たないこと。
市営住宅などの低賃料の公的住宅は、倍率が高く入居が難しいことから、国土交通省は
新しい登録制度の創設を検討中であると、毎日新聞に掲載されました。
新制度について大まかにいうと以下のとおり。
【対象】
高齢者や障害者、低所得者、子育て世代の世帯
【賃貸物件】
入居を拒否しない賃貸物件を大家に登録してもらう
地方自治体が入居希望者に情報提供する。
【補助の対象】
バリアフリー化など改修費用の一部を補助する
相場より家賃を安く抑えた分についても補助金を出す。
【国、地方自治体の分担】
1.改修費用は
国→1/3
地方自治体→1/3
2.家賃の値下げ分
国→1/2
地方自治体→1/2
家賃補助については、入居者の収入によって制限を設けるか検討する。
すでに、国や地方自治体は高齢者や外国人、一定の収入がない人のために
低賃料の公的住宅を提供してきたけれど、手続きが複雑だったり
戸数が少ないなど問題点がありました。
今回の登録制度で、その仕組みを簡略化すると言っています。
また、空き家の戸数は、増加傾向にあり国交省の担当者は
「改修費の補助などを契機に空き家活用も図れればいい」としている。
2017年度運用開始をめざしているとのことです。
2.老後も賃貸で暮らす高齢者にとって朗報となるのか?
年金受給額の据え置きや物価の上昇で、老後の生活の不安要素がいっぱいの中
いつ片方が亡くなってひとり暮らしになるかわかりません。
平均寿命からいって、女性がひとり暮しをする時間が長くなるになります。
年金の受給額も夫婦二人で暮らしていた時よりも減額になり、いっきに低所得と
なってしまう可能性だってあります。
また、住宅ローンを退職金で一括返済を予定していても、退職金が出なくて
マイホームを手放す場合もあるでしょう。
老後の住まいに不安を持っている人にとって、今回の国の制度は果たして朗報と
なるのでしょうか?
私が知りたい情報は今のところ以下のことです。
賃料や改修費用などすべての自治体が負担できるのか?
財政に余裕のある首都圏に限られるなど、地域によってこの制度の恩恵を
受けられない人が出るのでは?
所得制限の上限は?
低所得者が対象となるのか?
連帯保証人は必要か?
近年、ひとり暮しのお年寄りが、自室で亡くなっているのに発見が遅れて
その後処理に大家の負担が大きいことがニュースになっていました。
高齢者などに対して入居を拒否しない大家が、はたしてどれくらいいるのでしょうか?
具体的な内容が示されていないので、今後の推移を見守っていきたいと思います。
絵に描いた餅とならないよう、住宅弱者にとって安心して暮らせる住宅の提供を
願うばかりです。