目次
1.実家の母の和服を断捨離するために私が試した4つのこと。
今の時代、お茶や日本舞踊などの趣味がない限り和服を着る機会はほとんどないと
言っていいでしょう。
私の母は、昭和10年生まれの81歳。独身時代にお茶を習っていたと本人言っていて
昔は和服をかなり持っていたようです。
今住んでいる家を新築した時に、処分したらしいですがそれでもまだ数枚手元に置いていました。
これが思い出の1枚。深い紺色の絽の着物(夏に着る)です。
母は「数少ない絽の着物なのよ。
それに初めてお茶席で着た思い出の着物だからとっておいたの」と。
見た目は、すぐに着られるぐらいですが、隅々まで見てみるとあちこちに
シミや虫食いがありました。
母の身長は154cm。私は159cm。5cmの身長差があると和服はきられないんです。
和服はその人の身長や腕の長さなど寸法を測って仕立てるので
母と5cmの身長差がある私は着られません。
そこで、和服を処分する方向へもっていく4つの方法をご紹介します。
1.シミや虫食いがあると和服引き取り専門業者が引き取ってくれない場合がある。
以前にテレビ番組でタレントさんが、自前の和服を業者に買い取ってもらう
番組がありました。
そのタレントさんは「大物女優さんに買ってもらった高価な和服なんです。
高く買い取ってもらえませんか?」
すると業者は「この和服はとってもいいものだけど、今時流行らない柄行なので・・・」と
言ってタレントさんが希望する価格にはなりませんでした。
業者だって商売ですから、利益の出るものしか買取りません。
和服であれば、流行りの柄や古くから人気のある文様など、時代の流れにあった和服なら
買い取ってくれるでしょう。
しかし、奇抜な柄ゆきやましてや、シミや虫食いがあるなら問題外であることなどを話してみましょう。
2.今の時代和服は冠婚葬祭しか着ない。
私は、結婚する時に実家の母が3枚の和服を用意してくれました。
留袖、喪服、訪問着、絣の着物の合計4着です。
留袖は夫の兄弟やいとこの結婚式に、喪服は祖父母や夫の両親のお葬式で着用。
訪問着や絣の着物は、1回着ただけでその後は袖を通していません。
留袖と喪服は着る機会があっても、訪問着や絣の着物は着ないでしょう。
趣味でお茶か日本舞踊でもしていないのであれば、日常で和服を着る機会なんてないんです。
3.母にとっての思い出の和服は、子どもにはただの和服でしかない。
和服の処分が自分でできないと、子どもに譲ることで解決しようとします。
母も「この絽の着物は、瑠璃子が着られないから、リフォームして何かに使う方法は
ないかしら?」とどうしても私に使ってもらいたいらしいんです。
でも、母の絽の着物は、母が独身時代の着た思い出であって
私にとってはただの着物でしかありません。
親の思い出イコール子どもの思い出じゃないんです。
母にとっては思い入れのある和服であっても、私には何の思い出もない。
母から「私が亡くなった時の形見として持っていてちょうだい」と頼まれない限り
もらえません。
なぜなら、和服をもらうということは、和服専用に保存する「たとうし」につつみ
桐のタンスもしくは桐の箱に保存することになります。
1年に1回虫干しといって着物を日陰干しもしなくちゃならない。
もし、私がもらったら、最終的には私か保管の手間を引き受けて
私が亡くなってから娘達が処分することになるんです。
和服を持ち続けるには、保存する手間と処分するお金がかかることから
親の思い出に子どもがしばられるのは、ストレスになってくるのです。
4.和服をリフォームするにはお金がかかる。
和のテイストを取り入れたインテリアが好みなら、和服をほどいて
リフォームするとかできるでしょう。
しかし、和裁や洋裁などの経験がない人は、業者に頼むことになって
お金がかかります。
私は和服をほどく技術もなく、和のインテリアにも興味がありません。
もし母から、この和服を形見としてもっておいてちょうだいと言われたら
お金をかけてでもリフォームするかもしれません。
それ以外の和服をリフォームする手間と時間をかけるぐらいなら
処分した方がずっといいのです。
2.和服の処分は、母親の気持ちにそいながら処分する理由を話すこと。
和服は、私たちが洋服を買うように気軽に購入することはできません。
和服を一式買うとなると、それに合う帯や帯締めから帯揚げと和装小物も
購入することになります。
必然的に和服をひと揃えあつらえるのに高額になってきます。
100均のものは簡単に捨てられても、高額商品は簡単に捨てられないものです。
さらに、その和服に思い出が詰まっていると尚さら手放せません。
80代の高齢の母は、戦後物のない時代に育った世代なため手放すのが上手じゃないんです。
その背中を押してあげるのが子どもの役割じゃないかと思います。
私の経験から以下の4つのことを、母に話したことで理解し処分に踏み切ってくれました。
1.シミや虫食いがあると和服引き取り専門業者が引き取ってくれない場合がある。
2.今の時代和服は冠婚葬祭しか着ない。
3.母にとっての思い出の和服は、子どもにはただの和服でしかない。
4.和服をリフォームするにはお金がかかる。
ひとつでもお役に立てたら嬉しいです。