夫が定年を迎えた後、夫婦2人だけの生活に不安を覚えることありませんか?朝食を食べたばかりなのに「昼飯は何食べるの?」と聞く夫。
友人とランチに出かけようものなら「どこに行く?」「何時に帰る?」「オレの昼飯は?」と聞いてくる夫にイライラ!
定年後の長い時間夫と折り合いをつけて暮らすにはどうしたらいいのか?その解決策を提案しているのが黒川伊保子著「定年夫婦のトリセツ」です。
1.「定年夫婦のトリセツ」著者黒川伊保子氏プロフィール。
著者の黒川伊保子氏は、人工知能の研究者でAIを用いてマーケティングの世界に新境地を開拓した第一人者。2018年出版の「妻のトリセツ」は37万部も部数を誇るベストセラー作家です。メディアで見かけることも多いので知っている人も多いのではないでしょうか。
「定年夫婦のトリセツ」では、脳科学者としての切り口で男女の脳の違いを解説し、定年後の夫と妻両方それぞれのつき合い方を提案しています。
本を書くきっかけは本人曰く「ベースにしたのは人工知能の開発で得た知見で、それを皆さんに活用してもらいたかった」とのこと。
とはいえ、著者自身過去には弁護士に相談して離婚協議書を作ったともあったという。脳科学者の知見とともに夫婦の修羅場を乗り越えた経験がもしかした盛り込まれているのかもしれません。
「定年夫婦のトリセツ」を読んでみたので一部をご紹介します。
2.夫婦はなぜムカつき合うのか?
子育て中は協力し合っていた夫婦なのに子どもが独立して夫婦2人だけになってしまうと会話がすれ違うことありませんか?
1.私たちのある日の会話。
最近ひざが痛いのよね
病院へ行けば
〇〇さんったら噂話が好きでイヤになっちゃう
付き合わなきゃいいだろ
この時私は「あぁ言わなきゃよかった!時間のムダだったわ。二度と言うもんか!!」と超不機嫌に。かたわらで夫は私がなぜ不機嫌なのかわからないままテレビを観ていました。
なぜ私たち夫婦の会話がすれ違ったのでしょうか?
著書によると
男性脳は「ゴール指向問題解決型」。
女性脳は水や空気のように「共感」が必要で共感してもらうことで自分の存在価値を測っている。
だから、夫は私の悩みを簡潔に解決してあげたから満足している。でも私は夫に「膝が痛いのはつらいよなぁ」「噂話は聞きたくないよな」と共感してほしかっただけなのに不満があったということ。
解決方法として夫は妻に共感をしてあげ、妻は夫が妻の喜ばせ方を知らないことを知ることだという。
2.妻を困らせる会話の代表的なもの。
これから友だちとランチに行ってくるね。
いつ帰ってくるの?オレの昼飯はどうするの?
何時に帰ってくる?
この会話で妻は夫に外出するを責められているように思い、内心「子どもじゃないんだから昼ご飯ぐらい冷蔵庫にあるもので適当にたべられるでしょ。帰る時間まで言わなきゃいけないなんて!」と妻は外出すらできないことに。
男脳には人との距離感を測るために「原点」を決めていいて、現役時代は職場だったのが定年後の「原点」は妻になるという。
「原点」がはっきりしていないと不安になるのが男脳。けっして妻の外出を責めているのではないとのこと。
解決策はホワイトボードに夫婦のスケジュールを記入する。この時食事はどうするのか?まで詳細に書いておくこと。これで夫は「原点」である妻の居場所を確認でき安心するという。
この方法はすでに実践している夫婦もいるのではないでしょうか?
我が家もお互いのスケジュールをカレンダーへ記入するようにしています。。黒ペンは夫のスケジュールを、赤ペンは私のスケジュールを帰宅時間と食事もわかるように記入。それからというもの「どこに行くの?」「ごはんはどうする?」などと聞かれなくなりました。
3.夫婦は所詮わかりえない。
夫婦はわかり合えないものだと。
夫婦がわかりあえるだなんて、つゆほども思わないことだ。
わかりあえないと覚悟を決め、二人ができるだけムカつかないよう工夫して生きること。
脳の歴史をひも解けば、男性の脳は太古の昔から半径3kmの外側を狩りをしながら進化してきた。
一方女性の脳は半径3m以内をなめるようにどんなに小さいな変化を見逃さない視覚、嗅覚、皮膚感覚までも総動員して子を育ててきた。
だから、男は視野を広く、遠くに持ち、女は身近な存在に目を凝らす。男女の脳そのものが真逆に進化してきたことを理解しなければ夫婦なんて一緒に暮らしていけないということらしい。
夫婦は赤の他人だからと放棄するのではなく男脳を理解すること。
夫の「できなかったこと」を責めるのではなく「やってくれたこと」だけをフォーカスして褒めたたえるなど、ちょっとしたコツを知るだけで今までストレスでしかな夫の存在が人生で最も楽な相棒になるのかもしれません。
著書の第3章「夫の禁則五箇条」第4章「妻の禁則五箇条」では夫婦が相手に言ってはならない禁句とアドバイスもあり定年後夫婦のあり方に不安を持っている人には一読する価値があるのと思います。