老後は実家には住めない?賃貸住まいの夫婦が実家をあきらめた7つの理由

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老後は実家に住むと考えているシニアは多いのではないでしょうか?

思い出の風景、同級生や親族のそばで余生を過ごしたい人も多いはず。

しかし、長い時間実家を離れているうちに実家の住環境や建物の老朽化など変化をとげています。

私たち夫婦の実家は北海道。1年のうち約4か月は雪が降る地域です。

夫は老後は実家で暮らしたいと望んでいましたが、それが叶わないことがわかりました。

実家に住むことをあきらめた7つの理由は以下のとおりです。

【実家をあきらめた7つの理由】
1.人口が減少している
2.車がないと生活できない
3.大手スーパーの撤退
4.病院の廃院
5.火葬場が足りない
6.実家の老朽化
7.建て替えができない

7つの理由をくわしくご紹介していきます。

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1.住環境の変化

1.人口が減少している

夫の実家がある旭川市は人口が減ってきて歯止めがかからない状態になっています。

宮崎雅人著「地域衰退」では

1998年からの20年間の人口減少をしている上位20都市を示しており、旭川市は -22,392人で上位から7番目。

都市での人口減少が生じた理由の一つとして、製造業衰退後に他の産業によって地域の雇用が吸収されなかったことが考えられる。

人口減少は雇用を生む産業が育っていないのも一つの原因だという。

人口減少が進むと自治体に入る税金が減ってくるため住民へのサービスも満足にできなくなります。

例えば、劣化した道路や下水道の補修、バス料金の値上げなど生活に直結するサービスが住民の負担になってくる可能性があります。

また、人口減少で空き家が目立ち始めていることも気になる点です。

空き家が放置されると、雑草や虫の被害、防犯面など近隣住民にも被害を受けることに。

自治体の対応はというと現在のところ手を付けていないのが実情で、もし私たちが住んだあと空き家に囲まれた生活が待っていることになります。

2.車がないと生活できない

実家は車がないと生活できない地域。私の両親(父が90歳、母は86歳)は自治体が運営している循環バスを利用していますが、冬、路面凍結の時期でのバスの乗り降りは足元がすべりやすく危険です。

高齢者は転倒による骨折は寝たきり状態に直結すると言われていますから、両親は外出を控えるか、タクシーを利用しています。

年金生活者が外出のたびにタクシーを利用するのはかなりの出費となり頭を悩ませる問題となってきます。

3.大手スーパーの撤退

実家近くにあった大手スーパーが数年前に撤退しました。これによって私の両親は電化製品、書籍、文房具、衣類を自分の目で確認して買えない不自由な生活を強いられ、いわゆる買い物難民に近い状態になっています。

店舗がある地域まで出向くには、バスと電車を乗り継いで片道40分。高齢者には体力的にもきつく、北海道の冬場は路面での危険がともないます。今は両親から頼まれた商品を私が購入し送っていますが、私たちが住むとしたら、買い物はネット限定になることは間違いないでしょう。

いくつになっても、手に取って自分好みの商品か見定めたいもの。商品を自由に買えない不便さのなか生活することになります。

4.病院の廃院

最近、両親のかかりつけ医院が後継者がいないために閉院してしまいました。

徒歩圏内の医院がなくなり、医師から勧められた病院はバスかタクシーで通うことになります。

高齢者の場合、緊急時にすぐに対応してもらえる医院、病院が近くにあることは精神的な安心感があります。これからは人口減少で患者数が減れば、病院を継ぐ医師不足で閉院の数は増えてくるでしょう。

徒歩圏内でかかりつけ医がいることは老後を生きていくうえで重要なことです。

5.火葬場が足りない

東京都内の火葬場不足が問題になっていますが、地方でも同じです。

5年まえ夫の父が亡くなった時に火葬場で葬儀屋さんはこう言いました。

「今日火葬場が空いていてよかったですね。日によっては火葬場の控室が満室でバスの中で待機して頂くか、別の日にしてもらうことがあるんです」と。

特に、年末年始は火葬場がお休みなので、年明けは火葬を待つバスが数珠つなぎで待つとのこと。

将来もし私たちが火葬されるまで時間を要することになったら、葬儀に参列するために都内から来る子ども家族に大きな負担を与えることになります。

2.建物

1.実家の老朽化

実家は築40年の一戸建て(2階建て)です。外壁や屋根の塗装、水回り、ボイラーの交換(北海道の給湯は灯油を使ったボイラーが主流)は約20年ほど前におこなっていますが、そろそろリフォームが必要な時期になってきています。

さらに、直近の建築基準法が改正される前の建築物なので、耐震性など構造上の不安があります。

もし、私たちが住むことを考えると建て替えることになりそう。そうなれば老後資金から出すのは大きな決断が必要です。老後資金の目減りは貧困におちいることも。

このまま賃貸で暮らすか、実家を建て替えるのかはとても難しい判断が必要になってきます。

2.建て替えができない

建築基準法に「接道義務」というのがあって、これは都市計画区域内で建物を建てる場合、原則として建築基準法で定められた幅員(幅)4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないのです(一部区域では幅員6m以上が必要)

火災や地震などの災害が起きたときの避難経路、消防車や救急車が通れる経路の確保が目的だそう。

実家の前は生活道路がありますが、道路の幅が4m未満ですから更地にしても建て替えができない土地かもしれません。

もし、建て替えるとしたら、事前に市役所の窓口で調べる必要がありそうです。

3.まとめ

私たち夫婦が老後は実家に住むことをあきらめる理由7つについてご紹介してきました。

今の日本において、人口減少、車がないと生活できない、大手スーパー撤退による買い物難民が当てはまる地域がほとんどではないでしょうか。

もし、老後は実家や田舎暮らしを考えている人に今回の記事がひとつでも参考になれば幸いです。

私は1年に数回実家に帰省していますが、年々実家が住みずらい地域に変わりつつあり、とても残念な気持ちでいます。

また、2020年からのコロナウイルスによる自粛で、遠く離れた両親の健康状態を確認できないもどかしさも。

老後を迎える私たちが住まいを考える時、体力や思考の衰え、介護が必要になった時、それを支えてくれる子どもたちとの関係も視野に入れることも大切だと私は考えています。

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