50代60代の夫たちは家事の経験をしてこなかった世代です。
学生時代は教育ママから「男なんて家事をするもんじゃないわ!そんな時間があったら勉強しなさい」と尻を叩かれ、バブル期に就職すると残業、徹夜なんて当たり前の会社員生活を送ってきました。
そんな夫たちに突然妻に「家事を分担してよね」と言われても、何から手を付けていいのかわからないで戸惑うはず。
そもそも家事は妻の仕事であるという固定概念が脳にしみこんでいる人もいます。
しかし、老後こそ夫は家事を覚える必要があると私は思っています。
いつかは夫婦どちらかひとりになります。もし、夫がひとりで暮らすことになった時家事ができなければ、マイホームはたちまちゴミ屋敷と化し、本人の健康や周りの人に迷惑をかける恐れも。
そこで、私が夫に家事分担をしてもらまでに実践してよかったこと5つについてご紹介します。
【家事分担をしてもらうまでにすること】
1.家事の必要性を話す
2.家電は一緒に買いに行く
3.何からできそうか話し合う
4.夫に任せて口は出さない
5.家事の出来栄えを褒める
目次
1.家事の必要性を話す
ある日突然妻から「家でゴロゴロしてるんなら家事を手伝ってよね!」と言われた夫は「わかった!じゃやるね」と即座に答える夫はどれほどいるでしょうか。
シニア世代の夫たちは家事は妻がするものと思い込んでいるふしがあり、それは私たちが生きてきた昭和の時代が夫は家族のために稼ぎ、妻は子育てと家庭を守るといった分業が当たり前だったので当然かもしれません。
しかし、黙っていてはいつまでたっても重い腰を上げることはありません。妻は察してほしいと思っていても夫は言わなければ伝わらないのです。
1.老後の生活は今までとは違う生活が待っていること
夫には「夫は仕事、妻は家事」といった固定概念を老後もそのまま「妻は家事」を引きずっている人が多いかもしれません。
また、長い労働時間から解放された夫はやっと自由になれたとこれからの時間はすべて自分が使えるものと思っている人もいるでしょう。
しかし、現役時代との大きな違いは妻と同じ時間を共有して過ごすということです。
妻との良好な関係を保ちたいのであれば、夫には家事を分担してもらうことが必須で
2.生存が危ぶまれる
老後は夫にも家事を覚えてもらわなければ、極端な話生存さえも危ういかもしれないのです。
ゴミやホコリだらけ居室、賞味期限が過ぎた食品が入っている冷蔵庫、空気の入れ替えをしないよどんだ室内ではどんなに健康であっても病気になってしまいます。
挙句の果てに、ゴミ屋敷で孤独死なんてことになったらと思うとあまりにも悲しすぎます。妻亡きあとも夫には人間らしく暮らしてほしいことを伝えるのも妻の役目だと思います。
3.伝える3つのコツ
女性は共感する生き物といわれ、共感の中から学び取ることができます。しかし男性は共感という言葉を知りませんから、女性目線で家事分担の話をしても徒労におわることも。
そこで、夫に聞いてもらうコツが3つあります。
1.改まった雰囲気で
家事の分担について話をするコツは「ちょっと話があるんだけど」とちょっと改まった雰囲気で話を持ちかける。
間違っても夫がテレビでプロ野球を真剣に観ているときは避けたほうがよいでしょう。
2.結論から話す
結論から話す「なぜ家事の分担をしてもらいたいのか」
「○○さんのご主人って食後の食器洗いやお洗濯を自分でするんだって」と言っても「ふ~~ん。そうなんだ」で終わり。これでは妻のひとり言ととらえられ耳に届いていいない可能性も。
なぜ夫に家事の分担をしなくてはならないのか?結論から話すようにしましょう。
次に夫へは「あなたはどう思う?」と質問形式で投げかけ反応をみます。
3.提案する口調で
夫は妻からの命令口調を嫌がります。会社では上司からさんざん命令され続け、家庭でも妻に同じようなことをされたら聞く耳すら持たなくなるでしょう。
スムーズに話をすすめるには提案するような口調が望ましいと思います。
例えば「定年後あなたは1日家にいて時間があるでしょう?お互いに家事を分担するのってどう?」
夫は「家事はやったがないし・・・・」と反応があれば「やり方は教えてあげるし、家事を分担すれば共通の話題が増えると思わない?」と家事分担のメリットをわかりやすく伝えていきます。
それでも頭を縦に振らない夫なら
「ゴミも出さず、家の掃除もしていない家は周りから奇異の目で見られ、訪れた子どもたちは近所から苦情を言われるかもしれないんだよ。そんな父の姿を子どもたちに見せたくないでしょう」
と言ってもいいかもしれません。
3.家電は一緒に買いに行く
家事を分担してもらうなら夫にも同行してもらいましょう。
いずれは夫も使う家電ですから、一緒にあれこれ商品を比較していくうちに値段や使い勝手がわかり購入時には愛着がわくというもの。
誘い方は、男性は女性よりもメカや数字に強い傾向にあることを逆手に取り「最近の家電って店員さんの話が難しくてよくわからないのよ。一緒に行って聞いてくれる?コスパのよい機種も知りたいし」と誘ってみます。
家電量販店ではめぼしい商品があったらすかさず店員さんを呼んで一緒に使い方を教えてもらい、実践は夫にという具合に夫主導ですすめます。
お互いの意見が違った場合は、どこで折り合いをつけるか話し合いで決着をつけるとよいでしょう。
我が家はこれまでに、冷蔵庫、電子レンジ、掃除機、加湿器購入。家電量販店へもど同伴してもらいました。
掃除機購入は、夫はダイソンをイチオシでしたが私は掃除機では高額なため一度は見送りに。再び家電量販店に出向き、結果使いやすさや夫も使うことを考慮し購入することに。
その後、掃除機をかけるのは夫の担当になり、ダイソンのメンテをもしてくれるようになりました。
4.何の家事ができそうか話し合う
夫にとって家事は未知なる世界。
そこで、数ある家事の中から工程数の少ない家事を提案するのがおすすめです。
一番いい例がゴミ捨てですね。すでにゴミ捨ての担当を夫がやっているご家庭も多いはず。
妻が用意したゴミ袋をゴミ集積場へもっていく工程から、資源ごみなどの仕分け、家じゅうのゴミ箱にゴミ袋をセットしてもらうなど、今まで分担してきた家事をワンランクアップしてもらう方法もあります。
また、手始めに「名もなき家事」と言われるトイレットペーパー、シャンプー・ボディーソープの補充、玄関の掃除など担当してもらうのもハードルが低くとっかかりやすいでしょう。
30年以上連れ添ってきた妻だからこそ、夫の性格や技量を天秤にかけ自信をもって提案していきましょう。
5.夫に任せて口は出さない
分担する家事が決まったら、ひと通りのやり方を教えあとは任せます。たとえ妻と同じような工程で家事ができなくても譲歩して見守る姿勢が大切です。
最初は時間がかかったとしても、回数を重ねるごとに時間が短く要領もよくなっていきます。
毎日料理をしている妻だって初めて作るメニューは時間がかかっても、何回も作っているうちに短時間で作れるようになりますよね。それと同じです。
また、慣れてくれば男性本来がもつ問題解決能力を発揮し、妻が教えたことよりも効率の良い方法を導きだすことだってあります。
少々汚れが残っていたり、使い勝手が悪い整頓がなされていたら「こうするともっといいかも」と言うくらいにとどめ、決して怒ったり命令口調にならないことが秘訣です。
6.家事の出来栄えを褒める
わが子を褒めることは慣れていても、夫を褒めたことがない妻は多いと思います。
「だって、夫に褒められたことないのに、なんで私が褒めなくちゃいけないの!」って気持ちになるでしょう。それすごくよくわかります!
でも、夫に家事を分担してもらいたいのであれば禁句。
初めて家事をやり遂げたあと妻から「よくできたじゃないの!すごいね」と歯の浮くようなほめ言葉であっても嬉しいはず。「そうか。俺もまんざらでもないな」と口には出さなくてもやる気マンマンになっているかもしれません。
「家事なんて30年以上やってきてるわ!」という気持ちをグッと飲み込み「定番のほめ言葉」を用意しておきます。
「ありがとう」だけでもいいし「ありがとう+さすがね」とか、定番のほめ言葉で夫の気分アップを図りましょう。
食器洗いを担当している私の夫は最初は食器を洗って、拭いて食器棚に片付けるだけでした。
ところがある時「ガステーブルの油汚れってどうやって取るの?」と。私はすかさず「セスキ炭酸ソーダの洗剤を使うと簡単よ」と教えたところ「こんなに簡単に取れるんだ!」と感激。
それからというもの食器洗いが終わるとガステーブル、排水溝、換気扇までキッチン周りの汚れを一手に引き受けてくれるようになったのは思わぬ副産物と言えるでしょう。
ただただ夫に「ありがとう。助かったわ。私がやるよりきれいね」とほめ言葉を投げかけるだけ。それだけで妻に時間と気持ちに余裕が生まれてくるメリットは計り知れません。
6.まとめ
夫に家事分担をしてもらうまでに実践したことをご紹介してきました。
★夫に家事分担をしてもらうまでにすること
1.家事の必要性を話す
2.家電は一緒に買いに行く
3.何からできそうか話あう
4.夫に任せて口は出さない
5.家事の出来栄えを褒める
立派な大人(夫)を教育するのは手間と時間がかかりますが、老後を共に健やかに生きるため、夫がひとり残されても生きていける術を身に着けてもらうためには大切です。
私が家事分担を提案した時に夫が言ったのは「家事はお母さん(私)がするものでしょ」と。この言葉は家事を分担してもらうまでに相当な時間がかかることを予感させるものでした。
それからというもの折に触れ話したり、家電購入に同伴してもらったりと試行錯誤して今にたどり着いた次第です。
途中挫折しそうになった時に参考になった本です。